『本ページでは作品の魅力を伝える為に、GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―に関するいくつかのネタバレ要素を含んでおります。ご注意ください』
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―
作者:KUJIRA |
ジャンル:学生 |
発売日:2008年4月28日 |
出版社:双葉社 |
掲載誌:コミックハイ |
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―:百合指標
百合度:B | 男性関与:A | 性描写:B |
◆百合度・・・女性二人と男性一人で物語が進みますので、異性愛の内容も含みます。
◆男性関与・・・メインキャラに男性キャラがいます。恋愛面でも大きく関与してきます。
◆性描写・・・キスシーン有。
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―:ストーリー
「風花」は幼馴染である「利理」と女の子同士ではあるが、恋人関係にあった。しかしある日、自宅でキスをしていたところ、利理の方から別れ話を切り出される。
理由を問いただすと利理は「好きな男ができたの」と明かす。その好きな相手とは、同じ学校で同じクラス、そして小学生の時に風花の事を虐めていた「一太(いった)」という男だった。
次の日の学校、悲しみにくれる風花だったが、ひょんなことから一太から「好きだ」と告白を受ける。その話を聞いてた利理は二人の間に割りこみ、「一太の事が好き」と告白する事態に。
そして、女子二人と男子一人を交えた奇妙な三角関係の物語が始まる…。
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―:中心人物
・青柳 風花
利理の事が大好きな女の子。小さい頃は一太を含む男子グループに虐められていて、いつも利理に助けられていた。
その後、利理に相応しい女の子になろうと決心。綺麗になる努力を始め、中学に進級する際に現在の容姿となった。
虐められた過去を持つため男子が苦手だが、学校で噂になるほどの美人の為、告白してくる男子が後を絶たない。
利理に別れを切り出された後も、何とかやり直せないか画策する。
・古屋 利理
ちょっと気の強い男勝りな女の子。
小さい頃虐められてた風花を何度も助けていて、当時男子から「男女」と呼ばれてた。
風花が綺麗になった後も、男子が苦手な風花の為に告白に来る男子などを追い払っていた。
作中では風花と別れ、一太と付き合おうと画策するが…?
・大杉 一太
風花を虐めてた女の子。
小学5年生の時に引っ越していなくなるが、高校になって戻ってきて風花たちと同じクラスに。
風花の笑顔に惚れ、虐めてたことを謝罪、その後アプローチを仕掛けてくる。
風花と利理の関係には一定の理解を示しており、その上で風花と付き合おうと画作する。
「GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―」概要
今回ご紹介するのは、GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―!本作は2007年、今ではなくなってしまった雑誌「コミックハイ!」にて連載開始。途中COMIC SEEDに移籍し2008年に完結、単行本が発売された百合漫画になります。
本作の特徴は、女の子二人+男の子一人の三角関係で物語が進展するという物です。百合漫画が増えてきた今となっては似たテーマを持つ「彼女のカメラと彼女の季節」といった作品があり、男の子キャラが関与するというのは何も珍しいわけではないですが、恋敵として描かれるなど男性キャラは障害になるケースが多く、あまりいい印象が持たれません。
しかし、本作の男性キャラ「一太」は恋敵でありしっかりと百合的に活躍を見せてくれる、この作品を語る上で外せない存在となっております。
男を交えた奇妙な三角関係
女同士で付き合っていた風花と利理、しかしある日部屋でいちゃついていると利理から「好きな男ができた、友達同士に戻ろう」と告げられら振られてしまいます。その好きな男というのが、かつて風花を虐めてた一太でした。風花はこれにショックを受け、一人落ち込んでしまいます。
「寄りによってなんであんな男を…」そんな気持ちを抱く風花、しかも一太とは同じクラスであり、嫌でも顔を合わせてしまいます。顔を見るや否やしょうもない喧嘩を始めてしまいます。そんな最中、教室に入ってきて利理から挨拶をもらった風花は、その言葉に思わず笑みをこぼします。すると、その笑顔を見た一太が風花に一目ぼれしてしまいました。
予想外の展開に利理も風花も驚愕、利理も釣られて一太に告白をしてしまいます。こうして風花→利理→一太→風化→(以下無限ループ)という、なんとも奇妙な三角関係が出来上がってしまいました。
百合的に大丈夫なのか?
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―は男性キャラが全面的に関わっており、物語の導入も百合的にかなり不安な展開が多く、百合好きとしてはかなり胃を痛める内容となっております。
しかし、主人公である風花は一貫して利理に対して好意を持っており、その描写は作中の至る所にしっかりと描かれております。百合要素に関しては安心して読んでいただいて大丈夫です。
また、百合好きの方にとって一番の不安要素である一太は、確かに中盤まで風花に積極的にアプローチを仕掛け百合的にもかなり邪魔な存在ではありますが、彼の後半の活躍は非常にかっこよく、風花と利理の関係の修復に大きく貢献してくれます。例えるなら、神無月の巫女のソーマ君や、エル・カザドのリカルド並の活躍をしてくれます(知らない方すみません)。
読む前と読み終わった後で大きく評価の変わるキャラと言えるでしょう。もしGIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―を読む際は彼のシーンを読み飛ばさずに、目を通してもらえるとより楽しめるかと思います!
そして、風花を振って男に走った利理の事ですが…これに関しては是非自分の目で確かめていただきたいところです。
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―総括
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―は男性キャラが恋愛に大きく介入する作品となっておりますが、雰囲気はさほどドロドロしておらず、むしろギャグなどを挟んで明るい感じで表現されております。
また一巻という少ない巻数ではありますが、物語を通じてのキャラの成長がしっかりと描かれており、内容も綺麗にまとまっております。その為普通の恋愛漫画としても十分楽しんでいただける内容と言えるでしょう。
【こんな方にお勧め!】
・男性キャラが活躍するのが好きな方
・現実的な要素を好む方
・特徴的のある作品が読みたい方
GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―は男性キャラが大きくストーリーに関わっては来るものの、比較的明るめのストーリーとなっており、割と読みやすい作品です。傾向としては少女漫画としての雰囲気が強く、男性よりも女性向きの作品かな?と思います。
男性キャラがいる以上多少好みの影響が出るとは思いますが、個人的には是非読んでもらいたい作品です。比較的マイナーな作品ではありますが、百合漫画としての質は保証いたします!
KUJIRA先生の「GIRL×GIRL×BOY―乙女の祈り―」の紹介は以上です!ここまで読んでくださってありがとうございました!