『本ページでは作品の魅力を伝える為に、やがて君になるに関するいくつかのネタバレ要素を含んでおります。ご注意ください』
やがて君になる
作者 | 仲谷鳰 |
ジャンル | 学生 |
連載開始日 | 2015年3月27日 |
単行本発売日 | 2015年10月27日(1巻) 2016年4月27日(2巻) 2016年11月26日(3巻) |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | 月刊コミック電撃大王 |
やがて君になる「百合指標」
百合度:A | 男性関与:B | 性描写:C |
◆百合度・・・現実的な女の子同士の恋愛を取り扱った物語となっており百合度は高め。
◆男性関与・・・何人か登場し恋愛面でも関与をしてくるが、百合的には問題のない範疇。
◆性描写・・・ほとんどなし。キスシーンのみ。
やがて君になる「ストーリー」
主人公の「小糸侑」は人に恋する気持ちがわからず悩みを抱えていた。中学の卒業の時に同年代の男性に告白され返事を迷ってた時、生徒会の先輩「七海 燈子」に出会う。燈子も侑と同じ、人に恋する気持ちがわからない人間だった。二人は同じ悩みを抱えているということで次第に仲良くなり打ち解け合っていった。
しかし侑と共に過ごすうちに燈子の気持ちは次第に揺らいでいくことに。そしてある日、侑は燈子から好きと伝えられる。
好意を伝えられた侑だが、二人は付き合わず今まで通り先輩と後輩の関係で仲良くしていくことに。
そして二人は様々な行事を経て、より親密になっていくことに…次第に侑の気持ちも揺れ動いていくこと…。
やがて君になる「中心人物」
・小糸 侑
「やがて君になる」の主人公。物語の最初では高校生になったばかりの新入生。
恋をしたことがなく、人に恋する気持ちがわからない。先輩である燈子とは生徒会を通じて知り合い、当初は同じ「恋がわからない同士」ということで気が合い仲良くなる。
明るく誰とでも気軽に接してはいるように見えるが、実は内面は複雑な性格である。
・七海 燈子
「やがて君になる」のヒロイン。主人公である侑の一つ上の先輩である。非常によくもてる。
物語の最初では侑と同じく人に恋する気持ちがわからないと悩んでいたが、侑と出会ってからは一転、侑に初恋をすることに。
成績優秀、美人で優しくみんなの前では常に強気に振舞ってはいるが、その内面は非常に脆く、周りに失望されることに酷く怯えている。
「やがて君になる」概要
「やがて君になる」は仲谷鳰先生が月刊コミック電撃大王にて絶賛連載中の百合漫画になります。連載開始以降、女性同士の恋愛が真摯に描かれたこの漫画は各所で大きな話題を生み、2017年1月25日の段階で単行本累計発行部数25万部というヒットを出しました!
その勢いは既存の百合好きのみならず、今まで百合漫画をまともに読んだことのない人にまで波及するほどの勢いでして、今なおその人気は広まっています。
まさに今最も勢いのある漫画と言える「やがて君になる」。本稿ではそんな「やがて君になる」の魅力についてご紹介してみようと思います!
わたしを好きな、わたしの先輩。
やがて君になるは高校を舞台とした恋愛漫画で、主人公である侑は人に恋する気持ちがわからず、今までどきどきするようなこともなかった少女です。そして部活に入らなくては行けなかった侑は、ちょっとした気持ちから生徒会に体験入部することに。そして、そこで出会った先輩である燈子も今まで人を好きになったことのない少女でした。
侑はそんな先輩に親近感を持ち、仲良くなろうとします。そして、ある日中学時代の男性の友人に告白されたことを悩んでた侑は燈子にこのことを打ち明けます。侑は相手の事は友人としては好きだけど、恋人として好きになれないと悩んでいました。そんな燈子は親身になって相談に乗ってくれ、侑を励まします。その直後に告白された相手から電話がかかってきますが、燈子は隣で侑の事を見守ってくれました。
そして先輩に見守られながら侑は付き合えないことを伝えた侑。これで一件落着かと思いきや…。
これには侑も驚きです。
わたしの好きって、こういうことしたい好きだったんだ
告白から数日後、先輩から何も音沙汰もなく一人で悶々とする侑。そんな中、時期生徒会長を決める選挙が始まり、生徒会も慌ただしくなり始めます。燈子もこの選挙に出馬し生徒会長選挙へ挑むわけなのですが、どういったわけか、まだ会って間もない侑選挙の推薦責任者として協力してもらえないかと頼まれます。
最初は拒否する侑ですが、生徒会の先輩で燈子ともっとも仲の良いとされる佐伯先輩からも頼まれ、結局この仕事を引き受けることになります。
こうして正式に一緒に選挙で戦うことが決まった二人は、今後のことについて話ながら帰路へ着きます。そして侑はこの前言われた「君の事好きになりそう」という言葉について問い詰めます。「つい考えもせず口走ってしまった」と説明する燈子。そのことを聞いた侑は「女の子同士好きになるわけがないですよね」と笑い飛ばします。その直後です、燈子は立ち止まり侑の方に振り向いて…。
これには流石の侑も驚愕、そして思わずキスをしてしまった燈子も赤面。二人はギクシャクしながらも帰路へ着くことに…。
好きでいさせて
後日、学校で燈子から謝罪される侑。侑も特に気にしていないという事で燈子の事を許し、改めて選挙を一緒に戦うパートナーとして仲を深めることになります。
そして生徒会の帰りに二人はある喫茶店によります。燈子はそこで侑に対して「付き合ってほしいと思ってない事」、「ただ好きでいさせてほしい」という趣旨の話を伝えられ、侑もこれを承諾します。恋を理解できない、誰か好きになれないことで悩んでいた侑を苦しめないようにするための燈子の配慮です。
やがて侑は正式に生徒会に入会し、燈子との長い時間を過ごすこととなります。こうして先輩と後輩の不思議な関係のお話がこうして「やがて君になる」の物語はスタートします。
やがて君になる 総括
やがて君になるは如何でしたでしょうか?本作はシンプルな設定、そして比較的王道なストーリーとなっており、最初の方非常に読みやすい作品かと思います。しかし、巻数を読み進めていくことで実際には様々な人間関係や複雑な感情が入り乱れていることがわかり、物語は次第に奥が深い物となっていきます。特に侑の心情も時間が立つにつれて変化していき、燈子との気持ちのすれ違いがどんどんと大きくなっていきます。そういった点から百合初心者の方でも1巻からこの漫画を追っていくだけで、かなり百合漫画という物の理解ができるのではないかと思います!
「やがて君になる」は
・しっかりした恋愛要素のある百合漫画が読みたい方
・感情が複雑に絡んだドラマ性のある漫画を読みたい方
・とりあえず百合という作品に触れてみたい方
な方達には得にオススメです!本作は初心者から上級者まで広くオススメできる百合漫画です。もし読みたい百合漫画に悩んだときは取りあえず「やがて君になる」を読んでみれば大丈夫です!
今後の展開も非常に楽しみな百合漫画。百合好きを語るなら是非とも持っておきたい一本です。
やがて君になる単行本