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ガールズラブ史上最も緊迫した物語 –「リライアンス」最終巻発売記念インタビュー!

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水谷フーカ先生の「14歳の恋」からのスピンアウトとして楽園でスタートした百合漫画「リライアンス」。本編に登場する志木さんと灰島先生、そしてそんな二人に巻き込まれたクラスメイトの橘さんの三人を中心に描かれる物語。今回、最終2巻の刊行を記念し著者である水谷フーカ先生に本作についてお話しさせて頂く機会を設けて頂きましたので、その内容をお届けしたいと思う。

 

ガールズラブ史上最も緊迫した物語 –「リライアンス」最終巻発売記念インタビュー!

 

―― 水谷フーカ先生。この度はインタビューの機会を設けて頂き大変誠にありがとうございます。本日は「リライアンス」最終巻の発売記念ということで、本作の成り立ちや作品の雰囲気などをインタビューを通じてお伺い出来ればと思います。何卒よろしくお願い致します。

 

水谷フーカ先生:はい、よろしくお願いします。

 

「リライアンス」あらすじ

一年生の時、同じ読書家ということでクラスメイトの志木さんに対抗意識を燃やしていた橘。そんな彼女と一年のプランクを経て同じクラスとなったある日、彼女が大きく変化していることに気づいた橘は、気が付かない内に彼女へとのめり込んでいってしまうのであった……。

 

 

―― まず最初にお伺いしたいのですが、「リライアンス」という作品は「14歳の恋」から派生した作品との事ですが、両タイトルの関係について簡単にお伺いしてもよろしいでしょうか。

 

水谷フーカ先生:はい。「14歳の恋」は中学2年の思春期を舞台に様々な恋模様を描いた作品で、メインとなるキャラクターは周囲に内緒で付き合っている田中彼方と吉川和樹です。そして、「リライアンス」に登場する志木さんと灰島先生はこの作品の主要キャラクターとなっております。

 

―― なるほど、ありがとうございます。「14歳の恋」という作品に志木さん絡みで百合要素があるというのはコアな百合好きの間で密かに注目されていたのですが、そんな最中「リライアンス」として彼女たちを主軸に据えた連載が始まったのは何故でしょうか。

 

水谷フーカ先生:「14歳の恋」の連載が完結した後に、他キャラクター視点のお話を描きたいと思ってまして、その中でも作中で人気の高かったコンビである長井君&日野原先生のスピンアウト「ハーモニー」、そして中学生の志木と養護教諭・灰島先生のスピンアウト「リライアンス」を同時期にスタートすることになりました。

 

 

―― 「14歳の恋」というと男女の恋愛を主軸においてるイメージが強いのですが、その中でも志木さんと灰島先生の組み合わせは人気が高かったのでしょうか?

 

水谷フーカ先生:そうですね。「14歳の恋」の人気キャラコンビでは長井君&日野原先生コンビ、主人公である彼方&和樹コンビに次いで人気は高かったですね。

 

―― 2010年頃から連載されていて男女のカップル・コンビは多い中、それほどの人気があるのは凄いですね。

 

水谷フーカ先生:ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、「14歳の恋」8巻や11巻での志木&灰島先生に纏わる展開は裏の主人公と言っても過言ではないほど仕上がっているので、もし興味を持って頂けたら読んでみて下さい。

 

 

―― 作品の生い立ちについてお教えいただき誠にありがとうございます。続いては「リライアンス」という作品を始めるにあたってどういったところを意識されたのか、お伺いしてもよろしいでしょうか。

 

水谷フーカ先生:リライアンスでは灰島先生と志木のその後を描いた作品ということで、どうしても暗いところに光を当てないといけず、作品の方向性も当初から暗いものでした。

 

―― 「リライアンス」は中学生のアオハル感よりもその真逆のなんとも言えない空気感が冒頭から渦巻いておりましたね。

 

水谷フーカ先生:はい。そういった方向性でスタートした作品ということもあって、主人公である橘も可哀想ですが最初から不幸が約束されていました。

 

 

―― 不幸が約束された主人公……百合漫画ではあまり見られない設定ですが、橘というキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。

 

水谷フーカ先生:彼女は何も知らない普通の中学生という感じですね。志木さんとは一年生の時にちょっとクラスが同じだっただけ、灰島先生のこともほとんど知らず、ましてや二人の関係についても何かありそうとは感づいてもその実態は何も知りません。

 

―― 「14歳の恋」を触れずに「リライアンス」から読み始めた読者もまさにそのような感触ですね。

 

水谷フーカ先生:そうです。「リライアンス」を連載するに辺り、百合に一本化した作品ということで「14歳の恋」を知らずに読まれる方が多いと思いましたので、そういった方々が楽しめる様、橘と読者様が同じ視点になるように意識しました。なので「14歳の恋」を読まれていない方でも「リライアンス」から十分お楽しみいただけます。

 

―― なるほど、そこまで考えられた上で橘というキャラクターが生まれたのですね。

 

水谷フーカ先生:ちなみに最初の構想では全く違う雰囲気のキャラクターで、志木さんよりも更に弱気なキャラクターだったんですよね。ただそれは没になりまして最終的には志木さんと真逆で社交的で身長が高く、自分の足でしっかりと立てるキャラクターになりました。あとボーイッシュでショーカットの女の子がちょうど描きたくて、溜まりに溜まっていた描きたい欲を再現したキャラクターでもあります(笑)。

 

―― 初期案では真逆のキャラクターだったんですね……結果的に全体の雰囲気が暗い本作において、橘はピュアな印象は際立って感じられますね。

 

水谷フーカ先生:橘は自分自身のことをクールなキャラだと思い込んでいるんですけど実際はそんなことはなくて、志木さんに振り回されて困惑したり表情が崩れたりする様子は描いててとても楽しかったです。読者様にはそういった好きな女の子に赤面している様も存分楽しんで頂けたらと思います。

 

 

―― 物語冒頭では志木さんのことを内心馬鹿にすらしていた橘が、後半では志木さんの一挙一動に振り回されるのは見ていてとても印象に残りますね。

 

水谷フーカ先生:そうですね。興味もない、なんなら見下していたはずの女の子にどんどん沼っていき、次第に転落していく様子を読者の方々には楽しんで頂きたいです。

 

―― 立場の逆転などは百合漫画でも見かける要素ですが、転落とまでいくとそうそう見かけない要素ですね。

 

水谷フーカ先生:基本的に主人公は置いてけぼりで最後まで可哀想な目に合う作品なので、そういった仄暗い雰囲気を楽しんで頂けたら幸いでございます。

 

 

―― 「リライアンス」という作品について語って頂き誠にありがとうございました。本日発売された第2巻について何かコメントがございましたら、是非ともお願いします。

 

水谷フーカ先生:「リライアンス」は第2巻で完結となります。第2巻ではとあるキャラクターが物語を大きく引っ掻き回したりしますが、そんな情報量が少ない中でも橘の目線で物語を追って行っていただけたらと思います。そして、その先にある志木さんに恋してしまった橘の末路を是非目にして頂けたらと思います。

 

―― ありがとうございます。それでは最後に百合好きの方々に向けてメッセージがございましたらよろしくお願いします。

 

水谷フーカ先生:ここまでお付き合いいただきありがとうございました。長々と語りましたが、作品を読んで頂けたらもうそれだけで全てにおいて嬉しいです。「中学生は凄いぞ、一丁前に考えて生きてるんだぞ!」というのを本作で感じ取ってくれたら嬉しいです。

 

―― 水谷フーカ先生、この度は貴重なご機会をいただき誠にありがとうございました。

 

水谷フーカ先生、お忙しい中インタビューにご協力頂きまして誠にありがとうございました。水谷フーカ先生の「リライアンス」全2巻は全国の書店・電子ストアなどで絶賛発売中。是非この機会にチェックしてみてください。

 

©水谷フーカ/白泉社 

 

水谷フーカ
X(Twitter): @f_mizutani
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