
激情の百合物語。
メルヘンダーク・百合サスペンス!
『ユリノコ』第1巻が5月23日発売!!
二人の前に現れたのは…未来から来た娘!? 生と死と子を纏う百合サスペンス「ユリノコ」レビュー!
よつば◎ますみ。先生『ユリノコ』とは?
『ユリノコ』は、KADOKAWA・コンプエース コミックコネクトよりWEB上にて連載している百合漫画。作者は「ヒナタノユリ」「本屋のコトハ半分こ」(日本文芸社刊)など百合漫画をメインに執筆されている漫画家・よつば◎ますみ。先生。綺麗で可愛らしい絵柄とは裏腹に、個性的で闇要素を含んだ作品を執筆されるのが特徴の作家様となっております。
本作は女性同士での出産が可能になっている少し未来の世界を舞台にした作品となっており、両片思いながらも中々本音を打ち明けあれない幼馴染・まなとつくしが、ある日『未来から来た娘』を名乗る少女・なずなと出会うところから始まります。
こちらのシーンからも分かる通り、本作は恋愛を主軸とした王道系の百合漫画とは方向性が大きく異なり、ダークメルヘンな雰囲気をまとった百合サスペンス作品となっております。
今回発売された第1巻では物語の序章のような内容となっており、主にまなとつくしの関係性、突如現れた謎の少女・なずなと三人で過ごす時間、そして身の回りで起きる超常現象などが中心に描写されております。
今回はそんな様々な側面を持つ「ユリノコ」の魅力を紹介していけたらと思います。
「ユリノコ」概要
あらすじ
互いにコンプレックスを抱えた、
幼馴染のまなとつくし。
思い合いながらも本音を打ち明けられない
「両片思い」の二人の前に
『未来から来た娘』を名乗る少女が突然現れる。
少女の目的は?そしてまなとつくしの恋の行方はーー。
生と死と子を纏う、ガールミーツサスペンス!!
未来から来た娘 — 「ユリノコ」始まり
本作は両片思いの幼馴染・まなとつくしがある日『未来から来た娘』を名乗るなずなと出会うところから始まります。周囲も認めるほど相思相愛ながらも一歩踏み出せない両片思いのまなとつくし。
そんな二人はつくしの潔癖症を治すために放課後にキスの練習をしていたが、中々うまくいかずにいた。
そんな最中、まな宛てに謎の宅配物が届く。身に覚えのないまなは恐る恐る中を開けてみたところ、そこには古めかしいオルゴールと亡くなったはずの母親からの手紙が。
手紙に書いてある内容もよく分からず、一旦はオルゴールを動かしてみることに。その瞬間、稲妻が走り翼の生えた女の子が二人の目の前に現れます。
空中に浮かびながら二人のことを「ママ……」と呼ぶ謎の少女。突然の出来事を中々受け入れられないつくしとまなでしたが、子供を放置することもできず、三人での生活が始まることとなりました。
ここが気になる!!「ユリノコ」注目ポイント!!
「ユリノコ」の物語の鍵を握るのは二人の娘を名乗る少女・なずな。
第1巻では物語の序章といった印象が強く、物語が大きく進展していくということはあまりないですが、つくしとまな、そしてなずなの三人で一緒に過ごす日々が描かれております。
一人にしておくことができないということで、翌日三人で学校へ登校するシーンでは周囲のクラスメイトから大きな注目を集め、なずなの一言によって赤面するつくしとまなが見られます。
また三人で一緒に暮らすことになったシーンではまるで結婚したかのような三人の可愛らしい日常が描かれております。
このように本作における百合要素は開幕からほぼフルマックスの状態となっており、読んでいて心が透き通っていくような幸せそうな日常が描かれております。
……しかし、それだけで終わらないのが本作のポイント。未来からなずなが来て以来、二人は様々な超常現象を目の当たりにすることになります。
まなと仲良くしているクラスメイトにつくしが嫉妬しているとその様子を見ていたなずながクラスメイトを襲おうとしたり、三人で仲良く公園で過ごしていたところ大きな爆発が起きたり、空に不思議な模様が現れたりなどなど。
不思議なことに巻き込まれつつも家族の時間を満喫する三人。この幸せが続けばいいと思ったのもつかの間、謎の黒い物体が彼女たちを襲い掛かり物語は大きく動いていくことに……。
このように第1巻ではつくしとまな、そしてなずなの三人での日常を中心に描かれており、大きく物語が動きそうなのは第2巻かといった印象の作品となっております。
第1巻の段階では作中での百合描写はこれでもかっというぐらい濃密に描かれており、百合的には申し分ない作品と言えるでしょう。その一方でダークメルヘン要素が強く、物語も多くの謎が散りばめられた作品となっております。
ここまで『ユリノコ』の内容についてご紹介させて頂きましたが、ここでオススメポイントの方をまとめさせていただきますと、
ダークでミステリアスな雰囲気の作品が好きな方
謎を解明していくような作品が好きな方
他の作品にはない個性的な作品が好きな方
といった感じの方に読んでみて頂きたい百合漫画となっております。
ここまでご紹介させて頂きました通り、「ユリノコ」のストーリーはダークでミステリアスな要素が強く、また作者であるよつば◎ますみ。先生の独特な表現技法が随所見られる作品となっており、作中の物語も相まってかなり個性的な作品と言えるでしょう。
よつば◎ますみ。先生自身も闇成分多めの百合を主に書かれていると明言しており、実際今回発売された「ユリノコ」は第2巻以降はどのような展開になるのか、正直読者的には予想がつかない作品となっております。
百合要素に関しては開幕MAXと言えるぐらい濃密な作品ではございますが恋愛をメインにした王道な百合漫画とは異なり、百合+α系作品の中でも更に一癖二癖追加したような作品となっております。
逆に言ってしまえば本作でしか味わえない魅力が存分に詰まった作品とも言えるでしょう。ダークなサスペンス百合を読んでみたい方は、是非手に取ってみては如何でしょうか。
よつば◎ますみ。先生『ユリノコ』第1巻はKADOKAWAより絶賛発売中。第1話がカドコミでも公開されておりますので、どの様な内容なのか気になった方は是非一度そちらをチェックしてみて下さい。それではここまで読んで頂き誠にありがとうございました。
製品情報
【著者】よつば◎ますみ。
【発売日】2025年5月23日
【あらすじ】
二人と一子で紡ぐ、メルヘンダーク・百合サスペンス!
両片思いの幼馴染、まなとつくし。
一歩踏み出せない二人の前に、
『未来から来た娘』を名乗る少女が突然現れる。
少女の目的は…。
そしてこの娘は本当に二人の子なのか…。
激情の筆致で描かれる、
予測不能の新境地百合サスペンス!