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『百合漫画』ネムルバカ

 
 
 
『本ページでは作品の魅力を伝える為に、ネムルバカに関するいくつかのネタバレ要素を含んでおります。ご注意ください』
 
 
 
 

ネムルバカ

 

ネムルバカ

作者石黒 正数
ジャンル学生(大学)
連載期間2006年9月19日~2008年1月19日
単行本発売日2008年3月19日
出版社
徳間書店
掲載誌月刊COMICリュウ

ネムルバカ「百合指標」

百合度:C
男性関与:A性描写:C

◆百合度・・・主人公二人の恋愛というよりも友情としての側面が強い。ただし同性愛を連想させるシーンはある。

◆男性関与・・・男性キャラが準レギェラーとして登場。恋愛面でもかなり絡んでくる。

◆性描写・・・なし。

 

ネムルバカ「ストーリー」

 

鯨井ルカと入巣柚実(いりすゆみ)は同じ寮の同じ部屋で暮らす先輩と後輩。ルカは将来ミュージシャンになることを目指し、地下ライブでバンド仲間とともに夢を追いかけていた。対して柚実は特に夢もなく、ただただ時間が過ぎるだけのような生活をしていた。

 

ある日、柚実は大学の男友達を寮に連れてきてルカを含めた三人で飲み会をしていたが、酔いが回ってしまい眠りについてしまう。そして朝、目が覚めるとそこには先輩の姿はなかった。

 

こうして先輩は謎の失踪を遂げることとなる…。

 

ネムルバカ「中心人物」

 

ネムルバカ

・鯨井ルカ

「ネムルバカ」の主人公。柚実と同じ部屋で暮らしている一個上の先輩。

バンドチーム「ピートモス」のボーカル担当。地下ライブではそこそこ人気があり、雑誌に載ったりもする。

殺伐とした性格をしており、全体的に男勝りな言動が多い。ミュージシャンになることが夢である。


 

ネムルバカ

・入巣柚実

「ネムルバカ」のヒロイン。ルカと同じ部屋で暮らしている一個下の後輩。

若干天然が入っているがルカと違って特に趣味も夢もない、ただの平凡な大学生。大学進学の際に田舎から上京した。

男運が悪い。


 

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「ネムルバカ」概要

 

「ネムルバカ」とはそれでも町は廻ってるで有名な石黒正和先生がコミックリュウにて連載をしていた作品で、大学生のモラトリアム期間を綿密に描いた名作の一つです。本作では主人公「ルカ」とその後輩「柚実」の二人が中心となって物語が進行していきます。

 

ネムルバカは基本的に一話完結のスタイルの漫画で、序盤はのんびりとした日常が描かれます。ぐうたらな生活、可笑しなバイトの人、変なトラブルが起きたりする等、しょうもない日常の話が続きます。

 

しかし、作品内での時が進んでいく毎に、そんな周りの日常にも変化が訪れます。ぐうたらで平和な日常をこのまま過ごしたい、そんな事を考えてる二人は次第に人生に対する不安を抱くことになります。

 

またネムルバカではクリエイターに関連したお話が非常に多く、読んでいてとても心に来るセリフが多いのも特徴です。有名な造語で駄サイクルという言葉がありますが、これはネムルバカの作品内で生み出された言葉です。

 

百合視点から見るネムルバカの良さ

 
nemurubaka_1

さて先ほどの概要を読んでいただけると「本当に百合漫画なの?」と疑問を抱くかもしれません。確かにネムルバカの百合要素は恋愛と言うよりも友情としての側面の方が強いでしょう。ついでに男キャラも結構恋愛に絡んでくるため、人によっては物足りないかもしれません。

 

しかし、ルカと柚実の間にある強い繋がりは、百合そのものであることは自信を持って保証します。

 

ネムルバカには百合(同性愛)を意識したようなシーンは作中にいくらか入っており、百合好きの方が読んでも満足いただける作品なのは間違いないでしょ。特に物語終盤の二人のやり取りは思わず泣いてしまうほどです。

 

私だって、ずっとここでフワフワと暮らしていたいよ

 

最初こそは平凡な大学生の日常生活が描かれるネムルバカですが、次第に物語にも大きな変化が訪れ、少しずつではありますが話が段々と暗く重たいものとなっていきます。この絶妙なグラデーションが本作のテーマである「モラトリアム」をより一層引き立てていると言えるでしょう。

 

また、物語の最後には衝撃的な結末が待っており、読み切った後の気持ちは言葉に表せられないものになるでしょう。

 

ネムルバカ 総括

 

ネムルバカは一巻という短さでありながら、かなり完成された漫画作品であることは間違いないでしょう。学生から社会人へ変わるときの言いようのない不安を描いた本作は、百合漫画としてだけではなく、普通の一つの漫画として是非読んでもらいたい作品です。(実際私も百合目的で購入したはずでしたが、今では純粋に物語に魅入られております)

 
・先輩×後輩が見たい方
・女性同士の友情作品が見たい方
・リアルな作風の日常作品が見たい方
・とにかく印象に残る作品を見たい方

これらの項目に該当される方にはネムルバカをオススメします。

 

ネムルバカは少々古い作品ではありますが、徳間書店の方で増版が積極的に行われているため、結構書店に置いてあったりします。

 

また、ネムルバカには「響子と父さん」という続編的な作品があります。こちらはネムルバカから数年後の世界で、実家に住むルカの家族達に焦点を当てた作品になります。もし、ご興味のある方はこちらも合わせて読んでみて下さい!

 


石黒正和先生の名作「ネムルバカ」のご紹介は以上になります。本稿で少しでも興味を持って頂ければ幸いでございます。それではここまで読んで下さってありがとうございました!

 

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