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環境も性格も違う二人が寄り添い生きる物語 — 「不揃いの連理」最終10巻発売記念インタビュー

PR (株式会社 KADOKAWA)

 

SNSを中心に百合好きからの人気を博し、2020年11月よりコミックNewtypeにて商業連載が開始されたみかん氏先生の百合漫画「不揃いの連理」。長きに渡り多くの百合好き達を魅了してきた本作の最終巻が2025年6月10日に発売となった。

 

今回貴重なお時間を割いて頂き、著者であるみかん氏先生に完結を記念して読者様から頂いたご質問に答えて頂くことに。本作に関する各々の想いを届けたいと思う。

 

インタビュイー

名前 : みかん氏
X: @mikanuji

2016年11月よりコミック百合姫(一迅社)「Now Loading…!」にて連載デビュー。「百合ドリル」をはじめ「『Avalon~bitter~」「シロップ PURE おねロリ百合アンソロジー」など数多くの百合アンソロジーにも参加されている。2017年頃より自身のSNSにて「不揃いの連理」の発表、2020年に商業での連載が開始され現在に至る。

「不揃いの連理」最終10巻発売記念インタビュー

 

みかん氏先生初めまして。この度は「不揃いの連理」の長期連載、大変誠にお疲れ様でした。そしてこの度この様な機会を設けていただき大変誠にありがとうございます。

 

みかん氏先生:こちらこそ、貴重な機会を頂きありがとうございます。

 

今回のインタビューでは読者様から事前にいただいたご質問を中心に、インタビューを進めていけたらと思います。質問以外にも読者からの熱い想いが添えられたメッセージもございますので、併せてお伝えさせて頂ければと思います。

 

みかん氏先生:はい、よろしくお願いします

 

Q1

みかん氏先生、不揃いの連理連載お疲れ様でした!約8年素敵な作品を描いてくださりありがとうございました!質問コーナーとの事なので2つお伺いしたいことがあります!
1つ目はありきたりですが、みかん氏先生が描いていて1番楽しかったCPはどの子達ですか?自分はへケララ回が特に1番好きでした。
2つ目は、みかん氏先生が後書きを描かれる際、自分の頭を魚で描かれているのですが何か理由とかってあるんですか…?いっつも読み返す度に(なんで魚…?)となっていたので…理由があれば教えて頂きたいです!(どこかで既出でしたらすみません)今後も、みかん氏先生の作品を楽しみにしてます!

 

みかん氏先生感想と質問ありがとうございます。どの二人も好きですが一番思い入れがあるのは南と伊織です。幸せになってほしいのは雫と先生です!

 

自画像ですが、最初ハムスターが好きでハムスターを描いたら奇妙な動物しか描けず、描きやすい魚にしました。魚は美味しいので好きです!

 

Q2

みかん氏先生こんにちは。不揃いの連理完結本当にお疲れ様でした。いつも心揺さぶられながら拝読していました。ハラハラしたり、心配したり、ホッとしたり、祝福の想いを抱いたり、その未来の幸せを祈ったりー不確かな今をもがきながら生きる彼女達の姿を見守り続けた思いでいました。そんな時間を届けて下さったみかん氏先生には心から感謝しております。素晴らしい作品を届けてくださり本当にありがとうございました。これからもきっと何度も読み返します。
そこで質問です。作中の中で伊織と南だけでなく、幾つもの恋愛模様が描かれていましたが、ひとつの作品の中で同時に異なる女性達の心象風景や人物描写を描くことはとても困難なことだったと思います。先生が不揃いの連理を描くのに最も気をつけたことはどの様なことですか?ひとつの作品の中に複数の恋愛模様を同時に存在させることができた要因について教えてください。よろしくお願いします。

 

みかん氏先生感想と質問ありがとうございます。「最も気をつけた」というとなかなか難しいですが、生きてきた環境も性格も違う二人が交わっていくというのは上手くいったりいかなかったりの繰り返しだということを意識して描いたと思います。

 

X(旧:Twitter)での創作として始めたので、結果的に複数同時進行の恋愛漫画となってしまい読みにくかったかも、というのが反省点です。

 

 

Q3

沙織ちゃんと雫ちゃんのCPが大好きです!!こんな質問をするのも野暮ですが、結局お二人は一夜を共にすることが出来たのでしょうか……。
最終話でどのくらい時間が経過したか分かりませんが、その間に雫ちゃんは覚悟完了出来たのでしょうか。でもグイグイくる沙織ちゃんに奥手な雫ちゃんという構図もたまらないので、しばらくは煮え切らない関係というのも良いですね!
あと雫ちゃん、例の元カノの未練を断ち切ったのなら髪型とピアスを変える日も訪れるのでしょうか? 沙織ちゃんは何も言わなさそうですが、やっぱり気にはなりそうですよね。変えるとしたらどんな髪型になるでしょうか。

 

みかん氏先生感想と質問ありがとうございます。一夜についてはご想像におまかせしたいと思います……。髪型については、ウルフカットが似合うのでその辺ですかね。一緒におそろいのピアスとか着けてもいいですね。

 

Q4

誇張無しで百合作家さんの中で一番好きです。百合恋愛が楽しいだけじゃないことを摂取出来るので特に好きです。質問なのですが、参考にしているまたは参考にしていた漫画家や作家さんを教えて下さい、宜しくお願いします。

 

みかん氏先生嬉しいお言葉をありがとうございます。最近読んだ漫画だと『メダリスト』に衝撃を受けました。膝から崩れ落ちるほどでした。

 

Q5

みかん氏先生のラブコメのバイブルが知りたいです。

 

みかん氏先生百合ではないですが『NANA』が好きでした。

 

Q6

みかん氏先生、この度は『不揃いの連理』連載完結おめでとうございます!次はどのふたりのお話なのかなと、既刊を何度も読み返しながら毎月の更新や単行本の発売を楽しみにしておりました。それぞれの”ふたり”が紆余曲折ありながらも少しずつ距離を縮めていく姿が読んでいてとても眩しかったです。毎回素敵なお話を生み出してくださり、本当にありがとうございました。
さて、質問です。『不揃いの連理』には様々な立場や性格のキャラクターたちが登場しますが、設定段階ではキャラクター自身とカップリングの属性(職業や立場、性格など)のどちらを先に決めてお話を作っていたのでしょうか。
また、キャラクターによって動かしやすさに違いはありましたか。もし違いがあったなら、一番動かしやすかったキャラクターと一番動かしにくかったキャラクターを教えて頂けたら幸いです。
最後となりますが、まずは6月の最終巻を心待ちにしつつ次回作も楽しみにしております。連載大変にお疲れ様でした!

 

みかん氏先生感想と質問ありがとうございます。Xにて創作漫画として描いた漫画が商業化したので、そのタイミングで設定を練り直しました。なのでキャラクターありきでスタートしています。

 

カップリングの属性は意識していませんでした。一番動かしやすいキャラクターは南と伊織で、動かしにくかったキャラクターは……特に思いつかないですね。

 

Q7

長期間の連載でしたが、本作品の終わり(最終巻)を意識したのは、いつ頃でしょうか

 

みかん氏先生7巻を描いていた頃だったと思います。その辺りで最後はこういう形にしようと決めました。

 

Q8

各キャラクターのお酒の強さを教えてほしいです!

 

みかん氏先生質問ありがとうございます。以下の順の通りです。

 

伊織→強い。ビールと梅酒が一番好き。
南→弱い。飲めない。
沙織→飲まない。
雫→強い。飲める。
ヘケさん→強い。日本酒が好き。
篠原さん→弱い。カクテルをジュースで割るのが好き。
杉本→強い。
先生は→弱い。

 

Q9

『不揃いの連理』完結おめでとうございます!みかん氏さんのことはバンドリの二次創作イラストを描いていた頃から応援していたので、まるで今まで自分が推してきた地下アイドルが全国ツアーを達成したかのような嬉しさと感動に満ち溢れてます…。
二次創作とオリジナルを比べて、描いているなかで「こういう所は違うんだな」とか「ここは一緒なんだ」と感じた部分があれば教えていただきたいです。
みかん氏さんの作品はイラストの雰囲気や物語含めて大好きです。これからも更なるご活躍なされることを正座して楽しみにしております。

 

みかん氏先生感想と質問ありがとうございます。違うところですが、二次創作はイラスト小説やポストも含めてその作品が好きな者同士で楽しく交流できるのが楽しいんですが、オリジナルは孤独な作業です……。

 

一緒なところは何を描いていても自分の癖は出てしまうっていうところですね。

 

Q10

本作はSNS初の百合漫画ということで編集さんにお伺いしたいのですが、みかん氏先生と読者の間を繋げる立場の中で、読者に届けるにあたり特に意識していたところなどはありましたか?

 

KADOKAWA担当様『不揃いの連理』という作品は、みかん氏先生がご自身のSNSなどから始まった作品…担当させていただく時から、みかん氏先生の描く物語、という感覚が強くありました。
ですのでもっとも意識していたことを考えてみると「邪魔しないこと」…だったのかも、です。

 

すでに、みかん氏先生と読者の方との「関係性」と言いますか「絆」と言いますか、が出来上がっているように感じていましたので、それを大事にしたいというのは意識していたような気がします。

 

Q11

作品に携われた方のお一人ということでデザイナー様にもお伺いしたいのですが、不揃いの連理の表紙は各巻毎に表紙全体の色味やロゴの色合いなどが調整されておりますが、どのような部分を意識して色合い・構図などが決まっていったのでしょうか。

 

伊藤ユキノブ(RICOL)様「不揃いの連理」のデザインはキャラクター同士の関係性や感情を(あくまで私の中で)“静的に表現したい”という意図がいつも裏コンセプトとしてあったと思います。

 

繊細で、ときには大胆な行動を見せる登場人物たちに想いを馳せつつ、絡み合わせてみたり、傾かせてみたり、バラけさせてみたり……ある種のルールに則らずに「ちょうど良い」バランス感を常に探っていたと思います。不揃いな枝木たちも辿れば太い一本の木に成るので、毎巻“うまいことバランスを保っている”という印象になっていたのであれば、デザイナーとしてのねらいは概ね達成できていたのかもしれません。

 

最終巻は1巻と同様の構図になっているというのも初巻をデザインした当時にぼんやりと考えていたアイデアだったので、何年も担当しているうちに原作者であるみかん氏先生と編集者さん、そしてデザイナーとの間に見えない枝葉ができていたのかもしれません。そう願っています。

 

 

Q12

まずは……担当様(変更前後の御二方)、みかん氏先生、アシスタント様、製作に携わられた全ての関係者さまにファンのひとりとして、厚く御礼申し上げます
質問ですが本作品を拝読したことにより、「考え方、視野が広くなった」「勇気たくさんもらえた」「同性愛作品すきになった」「相手思いやる気持ちもてるようになった」等、あげだしたら滝のように溢れてくるほど本作品の物語、登場される人物の行動、表情、台詞にも込められた力は多くの方々の胸に届き、人生を明るく幸せにしてくださったのは明らかな事実です
この変化に関して質問になるのですが、読み手側だけでなく、製作側としてもなにか変化がありましたら可能な範囲でお聞きしたく
長文となりましたが、関係者さまのご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます

 

みかん氏先生熱烈な文章とご質問、ありがとうございます。以前は自分のためだけに漫画を描いてましたが、読んでくれる読者の方も意識して描くようになったのが一番大きい変化です。

 

描き始めた当初と比べて、百合を好きになってくれる方がかなり増えたことをとても嬉しく思います。これからも微力ながら漫画を通して百合の魅力を伝えていきたいと思っています。

 

みかん氏先生、この度は貴重なお時間を頂き大変誠にありがとうございました。約5年間に渡り百合業界の最前線を支えてきた本作の完結にこのような形で立ち会えたことをとても嬉しく思います。そしてたくさんの熱いを想いを届けて下さった読者の方々もありがとうございました。「不揃いの連理」は第10巻は絶賛発売中でございますのでまだお読みになられていない方、本稿を読んで作品に興味を持たれた方は是非この機会に手に取ってみて下さい。それではここまでお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

関連書籍

不揃いの連理(10) (カドカワデジタルコミックス) Kindle版
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