キューピッドたちによるロマンティック・ガンアクション!
『ラブ・バレット』第1巻が発売中!!
アメリカ在住の漫画家が描く百合要素ありのガンアクション!『ラブ・バレット』レビュー!
inee先生『ラブ・バレット』とは?
『ラブ・バレット』は、KADOKAWAの漫画雑誌「月刊コミックフラッパー」にて絶賛連載中の漫画作品。本作はアメリカに在住する海外漫画家・inee(アイニー)先生によって執筆されているガンアクション作品となっており、高い画力によって繰り広げられる爽快なアクションと恋愛要素が密接に絡み合った作品となっております。
これまで百合ナビでは数多くの百合漫画を紹介しておりその殆どは百合好きの方達にある程度百合作品として認知されていた作品が多かったのですが、今回ご紹介させて頂く『ラブ・バレット』はその特徴的な内容からあまりまだ認知されていない部類に入る作品なのかと筆者は思っております。
ガンアクション作品と銘打っている以上、百合要素自体はそんなにないんじゃ……と思われる方もいるかもしれませんが、本作にはびっくりするぐらいの濃い百合要素が備わっており、第1巻に関していえばほぼ全て百合で構成されているといっても過言ではありません。
今回はそんな本作のストーリーを軽くご紹介しつつ本作で描かれる百合要素の強さについて細かく話していけたらと思います。
『ラブ・バレット』概要
女子高生のコハルは不慮の事故によって死んでしまうが、数年の時を経て慈悲深き愛の女神によりキューピッドとして蘇ることに。
恋心を知らずに死んでいったもののみが”キューピッド”として蘇ることができ、多くの恋愛を成就させ徳を積むことによって第二の生を授かることができるキューピッドたち。そんな彼女たちが携えるのは弓矢ではなく恋の弾丸を放つ銃器だった……。
それぞれのキューピッドが異なる心情の中、各々が恋愛を成就させようと動きそれは時としてキューピッド同士の銃撃戦へと発展することに。新米キューピッドのコハルはそんな周囲に振り回されながらも成長を重ねていく……。
百合要素ありなガンアクション作品『ラブ・バレット』
冒頭でも軽くご紹介しましたが、『ラブ・バレット』にはかなり百合要素が強い作品となっており、簡潔にいってしまいますと第1巻で描かれる恋愛成就は全て女性×女性のみとなっております。
男性が全く出てこない、というわけではなく三角関係(女性→女性←男性の構図)だったり名前もないモブが登場したりとかはするのですが、作中で描かれる結末としては第1巻に関しましては女性同士の恋が描かれております。
これだけでも百合好きからしてみればだいぶ美味しいのですが更に主人公であるコハル自身も大きな百合エピソードを抱えており、第1巻に関してはそこのお話がメインとなって描かれております。
コハルが事故で亡くなった日、実は彼女は親友である秋から告白を受けました。それまで他人の恋愛相談ばかりを受けていて自分自身の恋愛を考えてなかったコハルは、どうしたらいいのか困惑してしまいます。
その瞬間、上から鉄骨が落ちてきて秋を助けようとした結果、コハルは命を落としてしまうことに。最期に思った言葉は「自分も恋をしてみたかった」という想いでした。
それから五年後、コハルは恋のキューピッドとして復活を遂げることになりました。
キューピッドとして蘇ったコハル。そんな彼女の初任務はなんと自分に告白してきた秋に新たな恋をさせることでした。
五年の時が経ち大人へと成長した秋。コハルは自分とは違う時間の流れを実感しながらも今自分ができることを全うします。
任務のために今の秋のことを知れば知るほど彼女がまだ自分のことを想っている事を知り、どうすればいいのか思い悩むコハル。
しかし、秋の想いを知ったコハルは彼女の為にも自分の初仕事を成し遂げます。
この初仕事を終えるラストシーンは百合好きなら思わず涙を零してしまうほど感情移入してしまうシーンとなっており、本作を百合好きに読んで頂きたいと思える一番大きなポイントとなっております。
作中での感情描写やそれを表現したシーンの変異に心奪われる作品となっており、一本の漫画作品としてもかなり優れた作品だと感じました。
そのほかにも個性豊かな先輩たちが登場し、特にコハルの指導係であるカンナは何やら彼女に対して何かしらの想いを持ち合わせていそうで、今後どのように関係が描かれていくのか非常に気になるポイントと言えるでしょう。『ラブ・バレット』はまさに多彩な方面で楽しめる百合作品だと感じました。
ここまで本作の百合的魅力をご紹介させていただいた『ラブ・バレット』。特にどういった百合好きの方に読んで頂きたいかと言うと、
しんみりする百合が好きな方
女の子たちのアクションが好きな方
一風変わった百合が見たい方
といった感じの方にはオススメな百合漫画となっております。
今回ご紹介させて頂いた『ラブ・バレット』は、ガンアクション作品というベースの上に様々な百合の魅力が詰まった作品となっており、少しずつ関係性を深めていく百合作品とは大きく異なりますが、百合好きでも楽しめる作品となっております。
本作が発表された当初はあまり百合要素を明言されておらず、百合業界での認知度はやや低めだった印象ではございますが、今回のレビューを機に少しでも多くの方に本作の存在を知っていただけたらと思います。
inee先生『ラブ・バレット』第1巻はKADOKAWAより発売中。今回のレビューを読んで「このような作品があったか!?」と思ってくださった方は、是非この機会に手に取って読んでみて下さい。
また、KADOKAWAが運営するWEBコミックサイト・カドコミでは期間限定で本作の第0話から第5話までが公開されており、本作の内容をより深く知ることができます。コミックス第1巻には第6話まで収録されておりコハルの初仕事の結末を是非その目で確かめてみて下さい。それではここまで読んで頂き誠にありがとうございました!
製品情報
【著者】inee
【発売日】2024年7月22日
【あらすじ】
JKキューピッドたちが繰り広げるロマンティック・ガンアクション!
三角関係の解決法をめぐってキューピッドたちが言い争い…からの撃ち合いに!?
個性豊かなJKキューピッドたちが繰り広げる、ロマンティック・ガンアクション!!