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「昼下がりに、また。」片倉アコ先生インタビュー

(提供:百合文壇バー) 
 


ゆりひめ@ピクシブで「昼下がりに、また。」を絶賛連載中の片倉アコ先生にインタビュー!本作の魅力や執筆に至った経緯などを片倉アコ先生に語っていただきましたので是非ご覧ください!

 

※こちらのインタビューはトークイベント「百合文壇バー」で語られた内容を掲載用に編集した物になります

 

「昼下がりに、また。」片倉アコ先生インタビュー

 

~あらすじ~

結婚3年目。優しくていい旦那。でも毎日に何かが足りない…そう感じていた主婦・澄香は隣人の有名デザイナーに言い寄られ、はじめて‟不倫”をしてしまった。

 

そしてその過ちは、不倫相手の妻である志乃との出会いを呼び、家庭をもつ‶女同士の不倫関係〟を作り出してしまい…

 

質問①作品の登場人物について教えてください。

自分の意見を強く言えずに周囲の流れに合わせてしまう主人公・澄香と、そんな彼女を放っておけず一生守ってあげたいと思っている旦那の匠。匠の事を兄のように慕っており主人公たちと生活水準のズレがある隣人夫婦の祥太郎、そして雲の上のような存在のミステリアスな嫁・志乃。

 

その他にもサバサバした姉御肌の主婦やインテリ系の訳あり主婦、そして若い男と浮気をしてる噂が飛び交う恋多き主婦と言った個性派の方達がお話を盛り上げてくれます。

 


「周囲の流れに合わせてしまう主人公・澄香」

 


「ミステリアスな隣人・志乃」

 

質問② 今作で主婦同士の百合を描こうと思ったきっかけは?

百合ジャンル全体を見るとまだまだ学生百合ものが大半を占めていますが、最近は社会人百合を取り扱った作品も増えてきており、そういったジャンルとしての広がりの中で読者の年齢層も広がっていると担当編集さんから伺いました。

 

そこでふと「主婦っておいしくないかな」と思ったのが本作を描くきっかけでとなりました。

 

あと、甘い百合は他の先生方がもっと上手に描いてくださると思っていてので、逆に私は尖った作品を描こうと思いました(笑)。

 

質問③ 先生にとって主婦とはどのようなものですか?

最高級食材ですね。

 

旦那さんがいることで得られる安心感がある一方で、本当に欲しいものが男性ではなく女性だったら、それってすごく儚いんじゃないかなぁと思いました。

 

不倫って時点でみんなが幸せになれるハッピーエンドは難しいですし、こういった当たり前ではないものを描きたいという想いが『昼下がりに、また。』の執筆に繋がりました。男性のことも知った上で女性を選ぶというのがすごく面白いんじゃないかと。

 

旦那がいるにも関わらず「でもやっぱり女の人がいいな」「でも世間体もあるから」という心の葛藤を持ちながら揺れ動く様を描けるのが主婦という設定の特権だと思います。

 


「登場人物たちの心の葛藤は本作の読みどころの一つ」

 

質問④ 『リリー・マルガリーテとかすみ草』でも主婦を主人公にされていますが、今作との関係などは?

『リリー・マルガリーテとかすみ草』は同じ主婦が主人公の作品でも『昼下がりに、また。』よりもっと百合らしい作品になっています。

 

昼下がりにのイメージが強い方が読むと「あ、こいつこんなのも描けるのか」くらいには思っていただけるかとは思います。

 


「主婦と娘の同級生の恋を描いた「リリー・マルガリーテとかすみ草」は『明日の君に花束を』に収録。」

 

質問⑤ 作品にこめられたテーマはございますか。

夫婦と言っても様々な形がある中で、穏やかに平凡で小さな幸せを見つけて笑って過ごしていけるという、恵まれた環境にいる主人公。

 

小さな綻びから生まれた決して許される事ではない罪、それを冒してから流されてゆく主人公の感情、当事者や第三者から与えられる環境の変化など、この作品にこめられた昼ドラというテーマを感じてもらえたら嬉しいです。

 


「小さな綻びから始まる”昼ドラ”的展開」

 

質問⑥ 作品を描いている中での読者さんの声などで印象に残ったことはございますか?

一番印象に残ったのが同じような経験をされた方がいらしたことですね。

 

百合というジャンルの中でも特に個性的な作品を描いている自覚はあるのですが、それでも共感していただける方がいると思うとモチベーションに繋がります。

 

質問⑦ 最後に読者さんへのメッセージを

沢山の感情を抱く女性同士にはいつまで経っても、何らかの特別な感情が生まれると思います。

 

若いから生まれる悩みもあれば、歳を重ねたから生まれてくる悩み…そして結婚をしているからこそ生まれてくる悩みだってあります。

 

恋する気持ちだけが百合ではなく、妬み嫉みや嫌悪そして尊敬などのたくさんの気持ちが特定の人にだけ向けばそれは百合だと思って今まで作品を作ってきました。

 

「昼下がりに、また。」は私の好きだと思う要素を詰め込んでいる作品ですが、本作を通じて様々な関係性も想像して頂き、そして男を知った主婦同士の百合も悪くないな、と思ってもらえれば作家冥利に尽きます。

 

いつも応援してくださる読者の方には本当に感謝しております。今後も私らしい作品で皆さまに楽しんで頂けるよう努力していきますので、これからも応援の程よろしくお願いします。

 


「片倉アコ先生『昼下がりに、また。』はゆりひめ@ピクシブにて連載中。気になった方がぜひチェックを。」

 

(取材:百合文壇バー) 

 

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