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『恋する女の子達を少しでも多く描きたい』-「ささやくように恋を唄う」竹嶋えく先生インタビュー

2020年1月から3月にかけて実施された百合漫画大賞2020で晴れて一位に輝いた「ささやくように恋を唄う」。多くの百合好きを魅了してやまない本作ですが今回、百合漫画大賞での一位を記念して著者である竹嶋えく先生にインタビューをさせて頂くことができました。

 

突然のお願いに快く引き受けてくださった竹嶋えく先生・コミック百合姫編集部の皆様方、本当にありがとうございます。それでは早速インタビューに参りたいと思います。

 

名前 : 竹嶋えく(たけしま えく)
Twitter: @takeshimaxfj

2016年11月よりコミック百合姫(一迅社)にて「晴れの国のあっぱれ団(全1巻)」を初連載。その後、2019年2月より同誌にて「ささやくように恋を唄う」を連載開始。漫画以外にもメディアミックス作品「ぬるぺた」のキャラクター原案や百合ライトノベル「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」のイラストを担当するなど活躍は多岐に渡る。

「ささやくように恋を唄う」インタビュー

 

  

 

竹嶋えく先生:皆さま、こんにちは。コミック百合姫で「ささやくように恋を唄う(以下ささこい)」を連載している竹嶋えくと申します。

 

竹嶋えく先生初めまして。この度は百合漫画大賞2020において一位獲得、誠におめでとうございます。また、お忙しい中インタビューを受けて下さり誠にありがとうございます。

 

竹嶋えく先生:いえいえ、こちらこそこのような機会を用意頂けてとても嬉しく思っております。

 

それでは早速ではございますが、インタビューを始めさせて頂ければと思います。よろしくお願いします。

 

竹嶋えく先生:はい、よろしくお願いします。

 

「先輩と後輩の王道」から始まった

 

この度百合漫画大賞2020で見事一位に輝かれたささこいですが、本作はどういった経緯で生まれたのでしょうか?

 

竹嶋えく先生:コミック百合姫さんで新連載を始めるにあたり、担当さんと打ち合わせをしてまして、そこでまず「先輩と後輩の王道が描きたいね」という所からスタートしました。

 

先輩と後輩の話というのはすぐ固まったのですが、じゃあ具体的にどんなストーリーにしていくか…って所で話が行き詰まってしまいまして…それなら物語より先にキャラクターのビジュアルから固めてしまおう!ということになりました。

 

ストーリーではなくキャラクターデザインの方に先に着手されたんですね。

 

竹嶋えく先生:はい。それで12人くらいキャラクターをデザインしてみて、担当さんにお見せしたところビビッと来たのが今の依ちゃんでした。ひまりちゃんの方はというと、これがなかなかに難航しまして…(笑)

 

ただキャラクターのビジュアルが決まってからはメインのストーリーとかもあっさり決まりました!居酒屋で打ち合わせしてるときに担当さんから「一目惚れのすれ違いってよくないですか?」「先輩ギターやってたらかっこいいねー」って言われて私も「いいですね!!」みたいな。なのでバンド要素がこんなに強くなるとは連載開始当初思ってもいませんでした(笑)

 

「先輩と後輩の王道」「一目惚れのすれ違い」「バンド」といったそれぞれの要素が少しずつ積み重なっていくことで、ささこいという作品が作られていったんですね。連載の準備段階で既に忙しそうに見えますが、連載が始まってから大変だったことは何ですか?

 

竹嶋えく先生それはもう最初の1話目と2話目ですね!ひまり視点と依視点の二つの一目惚れを同じ時系列を繰り返す必要があったので、どちらで何を見せればいいのか、というのにすごく悩みました。

 

それに、1話目と2話目は同時掲載だったので単純に作業量も多くて辛かったです(笑)2話のカラー扉とか「一生終わらない…」って思いながら色を塗ってました…。

 


▲ 百合姫の新連載では非常に珍しい2話同時掲載。
裏では竹嶋えく先生の血が滲むような努力が…。

 

あの二話同時掲載は読者から見て凄いインパクトがございましたが、裏では多大な苦労があったのですね…続いてファンの方から多く寄せられた質問なのですが、ささこいに登場する人物の中で、竹嶋えく先生が身近な人をモチーフにしたキャラクターはいらっしゃるのでしょうか?

 

竹嶋えく先生:モチーフですか…登場人物と言っていいのか微妙なところですが、ひまりの飼ってる猫の「マロ太」は自分が飼ってるアメリカンショートヘアがモデルです!これからも作中にもっと出してあげたいです。

 

マロ太は先生の飼い猫がモチーフだったんですね!それでは続きまして、先生が特に気にいってるささこいのシーンはお伺いしてもよろしいでしょうか?

 

竹嶋えく先生:どこだろう…うーん…。すごく悩んだのですが、1話のひまりが依ちゃんにひとめぼれするシーンは印象に残ってます。歌ってる依ちゃん5回くらい描き直した気がする。

 

5、5回もですか…!

 

竹嶋えく先生:はい。あ、あと気にいってるシーンで言えば、依ちゃんと水口の会話は結構どれも気に入ってますね。なんか気を遣わないくらい仲良い友達って感じがすごく好きです。

 


▲ 作中にも度々登場する依の友人である水口。
ささこいを語る上では外せない重要なキャラ。

 

竹嶋えく先生:ちなみにですが水口アキは、過去の読み切り作品の「君に好きっていわせたい」にでてきた谷口のデザインを少しだけいじって使いました。読み切りを掲載したときにすごく彼女の評判がよかったんですよね(笑)

 

それで、「谷口みたいなキャラ出したいです」って担当さんに言ったら「もう谷口出せばいいんじゃないですか?」って。お気に入りのキャラです。それと、ひまりのお母さんの髪型は、ひまりの初期デザイン案を流用しました。ある意味母だなぁと思って。

 

水口やひまりのお母さんのデザインについてこんな裏話があったんですね…。ちなみにですが先生が作中のキャラと付き合うなら誰が一番…?

 

竹嶋えく先生依ちゃんですね!スタイル良くて歌がうまくて美人さん(のつもりで描いてる)ですからね。それでいてあんまり恋愛に興味ないタイプの依ちゃんに好かれるのってすごくいいなあって思います。良かったね、ひまり!!
 

「恋する女の子達を少しでも多く描きたい」

ささこいについて様々な事を答えて下さり誠にありがとうございました!それではここからは竹嶋えく先生に関するご質問をさせて頂きたいと思います。先生がこれまで漫画を描いてて一番嬉しかったことについて伺ってもよろしいでしょうか?

 

竹嶋えく先生:嬉しかったことですか…Twitterとかで感想を頂いたときも凄く嬉しかったのですが、過去一番漫画家になってよかったなって感じたのは2巻発売時のサイン会でした!来てくださった皆さんが作品への想いみたいなものを話してくださって、顔を合わせてだとそれがすごくダイレクトに伝わってきたんですよね…。

 

多くの読者さんと触れ合ってきて、自分の描いたものを楽しく読んでいただけてるのって本当に幸せなことなんだなぁ、と強く実感しました。色々と辛いことも多いこの仕事ですが、本当に漫画を描いてよかったと心から思えた時間です。今思い出してもすごくウルッときます…またサイン会したいなぁ。

 

作品と先生が多くのファンから愛されているというのかが強く伝わってきますね。ところで先生が百合を書いてみようと思ったきっかけなどはあるのでしょうか?

 

竹嶋えく先生:う~ん…あまり面白いきっかけではないのですが、とある擬人化をよく描いていまして、その女の子たちを絡ませてたのが初めての百合だったと思います。

 

その後二次創作で百合の同人誌を描くようになって、その流れでここまで来たって感じですね。なので百合が好きで描き始めた、というよりも女の子をたくさん描きたい、っていうのが最初は一番強かった感じだと思います。

 

百合よりもまず先に可愛い女の子を描きたい、という想いが先生の中にあったのですね。実際、先生が描かれる女の子はメイン・サブ問わずかなり可愛らしく作り込まれておりますが、先生なりの拘りや特にここを見てほしいというポイントなどはございますか?

 

竹嶋えく先生:漫画もカラーイラストと変わらないくらい丁寧に描くように意識しています。自分のイラストに自信がないので、なるべく丁寧に描くことで少しでも見栄えが良くなってればいいなって。

 

あとは、女の子の照れ顔がすごく好きなので、照れ顔かわいいなーって思ってもらえるように頑張って描きたいです。

 

自信がないなんてそんな…先生の照れ顔はどれも素晴らしいです!先ほど出てきた短編集「君に好きっていわせたい」でも女の子の可愛さが沢山詰め込まれておりましたが、竹嶋えく先生はご自身はどのような百合シチュエーションが特にお好きなのでしょうか?

 

竹嶋えく先生:やっぱり王道なシチュエーションが基本的に好きですね。王道シチュを通してイチャイチャしてる百合を描いたり読んだりできたら幸せです。

 

あと最近は同棲もの好きだなって思いました!同棲しててお互いのこと理解していく感じとか、ちょっとしたことで喧嘩しちゃう感じとかすごく良いです…。

 

どれも百合好きには堪らないシチュエーションですね…!それではそろそろ締めとなりますが、先生にとってズバリ百合とはどのような存在なのか、お聞きしてもよろしいでしょうか?

 

竹嶋えく先生:自分にとって百合は、これからも描き続けたいものです。可愛い恋する女の子達を少しでも多く描きたい。それに尽きます。

 

竹嶋えく先生、心のこもったコメント誠にありがとうございす!それでは最後に読者の皆様に向けてコメントをお願いします。

 

竹嶋えく先生:この度は百合漫画大賞2020で1位をいただき、誠にありがとうございました。今でも信じられないほど嬉しく思っております。

 

自分の描いたものを楽しみにして下さっている方がいる、というのは何よりもの支えです。これからも読者の皆様に少しでも楽しんでいただけるように日々精進し、百合作品を描き続けたいと思います!

 

百合漫画大賞の開催、またこうした場を設けてくださった百合ナビ様、ささこいに投票してくださった皆様、本当にありがとうございました!これからもどうぞよろしくお願いします!

 


竹嶋えく先生、お忙しい中インタビューにご協力頂きまして誠にありがとうございました。竹嶋えく先生の「ささやくように恋を唄う」はコミック百合姫にて絶賛連載中。コミックス第3巻は7月17日発売となります。

 

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