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Vtuber×社会人百合小説「私の推し、嫌われてた」をレビュー!【PR】

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あなたの推し、どうですか?
私の推しは、われています。

 

本稿は6月3日に発売されたyu__ss先生の百合小説「私の推し、嫌われてた」のレビュー記事となります。一部ネタバレなども含まれておりますので、現在読まれている方・読まれる予定の方は拝読された後に記事を閲覧することをオススメ致します。

 

社会人百合×Vtuber「私の推し、嫌われてた」が尊かった【PR】

 

「私の推し、嫌われてた」の簡単な概要

「私の推し、嫌われてた」とは、Amazon・kindleにて絶賛配信中の百合小説。作者は第2・3回百合文芸小説コンテストにてpixiv賞を受賞されているyu__ss先生。本タイトルの正式名称は「【VTuber】私の推し、嫌われてた【#おしきら】」で、略称は「おしきら」となっております。

 

物語はブラック企業に勤めて精神が病んでしまい家に閉じこもっていた28歳の女性・能代亜衣が、ある日ネットサーフィンをしているときに偶然出会ったVTuber・天宮寺りりあんに心を奪われ、彼女への推し活動をするために社会復帰するところから物語は始まります。

 

新たに入社した会社で5歳年下の可愛らしい先輩・宮城さんと共に仕事を頑張りながら、自分の推しである天宮寺りりあんの活動を応援し続ける能代亜衣。本作はそんなOLとVtuberの関係を描いた恋の物語となっております。

 

「私の推し、嫌われてた」の魅力

 

この先はネタバレなどを多分に含んでおります。現在読まれている方・既に読むのを決められている方は拝読された後に記事を閲覧することをオススメ致します。

 

推しの為に

 

本作はVTuber・天宮寺りりあんが大好きな女性・能代が主人公の物語となっており、基本的に女性が女性に対して強い感情を向けている様が終始描かれております。昨今では”推し系”百合作品がいくつか登場してきておりますが、本タイトルもそれに近い内容となっております。

 

ただ本作は精神が病んでしまい引きこもっていたという背景を持つ女性が主人公のお話ということで、能代にとっての天宮寺りりあんはただのアイドルというだけではなく、自分を窮地から救ってくれた恩人の様な人でもあります。社会復帰を果たしたのも推しのイベントに参加するお金を稼ぐためだったりするなど、彼女の愛の強さは非常に凄まじいです。

 

天宮寺りりあんの魂は…。

 

そんな能代が大好きなVTuber・天宮寺りりあんですが、そんな彼女を演じている魂はというと、先ほどあらすじでも少し紹介した能代が社会復帰して入社した会社の先輩・宮城です。能代は宮城が天宮寺りりあんの魂であることには終盤まで気が付きません。

 

目の前の人がまさに天宮寺りりあんその人だとは思わず、ランチや会社帰りの飲みの時などに延々と天宮寺りりあんへの愛を語る能代。出会った当初はやや距離を取っていた宮城も、そんな彼女の姿に心を揺さぶられたのか、次第に少しずつ歩み寄っていくこととなります。そして、宮城が能代のことを恋愛対象として意識するようになります。

 

焦らしに焦らされる二人の恋

 

そして本作の主人公・能代はとにかくいろいろと鈍いのが魅力です。能代が愛してやまないVTuber・天宮寺りりあんは職場の先輩・宮城なのですが、「嘘でしょ!?」と思うぐらい本人はそのことに一向に気が付きません。

 

当初は企業との契約の問題もあってむしろバレないように立ちまわっていた宮城ですが、彼女との関係が深まっていく中、宮城はむしろ自分が天宮寺りりあんであることに気づいてもらえるよう、配信内で宮城とのプライベートのことを話し始めるようになります。しかし、彼女はそれでも気が付いてくれません。

 

その為、序盤こそは”能代→天宮寺りりあん“という構図で物語が進んでいた本作ですが、後半になると更に”宮城(天宮寺りりあんの魂)→能代“という構図も加わり、ある種の両片想いの様な状況になります。ただでさえ百合としても凄く美味しいシチュエーションなのに、前述した能代の鈍さも相まって物語の最後まで相当焦らされる為、ようやく二人がくっつくことができた瞬間の尊さはとても感動できました。

 

VTtuber×社会人百合

 

また、本作のテーマであるVTtuber要素はまさにこの作品に欠かせない重要な要素となっております。本作に登場するVTtuber・天宮寺りりあんは炎上した過去を持ち、更に現在進行形でそれが燻り続けているという状況の為、作中では様々なトラブルなどが発生し、それが物語の大きなアクセントとなっております。

 

とはいえそんな状況下でも天宮寺りりあんを愛し続ける能代の想いは終始一貫しており、途中どんなに苦しいことになっても読んでいる側からは安心して読み進めることができます。しかし、終盤になると天宮寺りりあんの魂が宮城であることを能代が知ってしまい、推しへの愛と一個人への恋愛感情の狭間に大きく悩むようになりラストへと繋がっていきます。

 

このように本作ではVTuberや炎上といった様々な要素が含まれておりますが、本質的な部分でいうと「推しとの恋愛」という部分が本作の一番大事な見所なのかもしれません。

 

「私の推し、嫌われてた」はこんな方向け

 

ここまで色々語らせて頂きましたが、一度いくつかのポイントをまとめてみたいと思います。yu__ss先生の「私の推し、嫌われてた」ですが、特に以下のタイプの百合作品が好きな方にオススメの作品です。

 

①VTuberが好きな方

 

本作はVTuberをテーマにした作品ということもあり、作中ではVTuberならではの要素が多数見受けられます。

 

チャットでのやり取りや配信といった実際のVTuberがしているような描写が作中に沢山描かれており、VTuberがお好きな方ならより物語に飲める込める内容となっております。

 

②社会人百合が好きな方

 

本作の売りの一つである社会人百合も大きな魅力となっております。能代と宮城の会社でのやり取りだったり休日デート、お泊りなどなど定番ともいえる百合要素もしっかり兼ね備えており、社会人百合小説としても楽しめます。

 

特に仕事終わりに二人で飲みに行った時のやり取りは非常に心に来るシーンとなっております。能代さんかっこいいです。

 

③恋愛小説がお好きな方

 

このように本作はVTuber要素だったりSNS炎上をはじめとしたちょっと暗い要素などがございますが、お話そのものは綺麗なハッピーエンドの恋愛ストーリーとなっており、百合的にもとてもスッキリした形で終わりを迎えます。

 

二人が結ばれるまでのもどかしさだったり途中途中に襲ってくる苦難などはまさに王道的な流れを汲んだ作品ともいえるでしょう。また、ラストシーンの告白はまさに本作らしいテーマを見事反映した表現となっております。百合的にも非常に申し分ない作品となっております、是非その目で確かめてみて下さい!

 


それではここまでレビューにお付き合いいただきありがとうございました。yu__ss先生の「私の推し、嫌われてた」は、Amazon・kindleにて絶賛配信中でございます。

 

書籍

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yu__ss (著) もこきよ (イラスト)
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