王宮百合ファンタジー
第4巻が8月20日に発売!!
『正反対な二人が世界を変えていく』– 王宮百合ファンタジー「転生王女と天才令嬢の魔法革命」をレビュー!
「転生王女と天才令嬢の魔法革命」とは?
「転生王女と天才令嬢の魔法革命」は、ファンタジア文庫(KADOKAWA刊)より2020年1月に第1巻が発売された鴉ぴえろ先生(著)・きさらぎゆり先生(イラスト)によるライトノベル作品。魔法によって発展した大国・パレッティア王国を舞台に、王国の第一王女・アニスフィアと公爵家の令嬢・ユフィリアが共に世界を変えていく様を描いた王宮百合ファンタジーとなります。
魔法に愛された令嬢・ユフィリアと魔法に嫌われたキテレツ王女・アニスフィア。二人の正反対な少女が繰り広げる物語を描いた「転生王女と天才令嬢の魔法革命」、その1巻の内容と魅力を皆さまにお伝えして参りたいと思います。
「転生王女と天才令嬢の魔法革命」の魅力
本作の魅力は何と言っても主人公・アニスフィアとヒロインであるユフィリアの関係性とその対比と言えるでしょう。王女であるアニスフィアは実は私たちが住む現代から転生を果たした人物で、5歳の頃に王宮で自分の前世の記憶を思い出します。現代で暮らしていた頃に魔法へ強いあこがれを持っていた彼女は、魔法が存在するこの世界に強い期待を抱きますが、なんと彼女は魔法への適正がなくせっかく魔法が存在するこの世界で彼女はその力を使うことができませんでした。
それでも魔法への想いを諦めきれないアニスフィアは前世の記憶を元に独自の道具(魔道具)を作ろうと奮闘しますが、そんな彼女の行動は周りの人々からは”変わった王女”として見られることになってしまいます。
そんなアニスフィアとは正反対なのがヒロインであるユフィリア。王国に使える公爵家の令嬢で勉学・魔法・政治・武芸に至るまで完璧と言われ、周りからも天才ともてはやされる程の人物です。
しかし、他人を寄せつけないクールな雰囲気を持つ彼女はあまり他人と親密な関係を構築することが苦手で、その所為で物語冒頭ではある事件に巻き込まれてしまいます。
魔法を使うことができず周りから変人として見られる王女・アニスフィアと、魔法の天才と呼ばれ周りからもてはやされる令嬢・ユフィリア。本作はそんな正反対な二人がある出来事をきっかけに出会い、関係を深めていく物語となっております。
物語の始まり
物語はユフィリアが通っていた学院の卒業パーティーから始まります。今までの努力を称え合う祝いの場であったそのパーティーは、ある一人の人間によって一気に変貌することに。それはユフィリアの婚約者であるパレッティア王国の王子・アルガルドが突如として二人の婚約破棄をみんなの前で発表したからです。
元々二人の婚約はいわゆる政略結婚というもので、お互いの印象も良くなく、手を繋いだことすらありませんでした。しかし、それでも親同士で取り決めた婚約を一方的に破棄したアルガルドの行動に全く理解を示せなかったユフィリアは婚約破棄の理由を問うも、その口から出てきたのは全く身に覚えのない罪の数々でした。
濡れ衣を着せられ周りからも完全に孤立してしまったユフィリア。口から言葉を出そうにも震えて声を出せずにいたそんな時、自分で作った飛行魔道具のテストに失敗したアニスフィアが窓を突き破ってパーティー会場に突然現れます。
パーティー会場に突然乱入してきたアニスフィアは、悪びれずその場にいた自分の弟であるアルガルドに話しかけますが、ただならぬ場の空気を察知したアニスフィアは会場の中で完全に孤立していたユフィリアを拉致し、会場から去っていくのであった…。
「転生王女と天才令嬢の魔法革命」の百合な見所
以上が「転生王女と天才令嬢の魔法革命」の物語の冒頭となります。ここから先は本作の百合な見所をいくつかご紹介したいと思います。
① 王女・アニスフィアは女性が好き
作中の早い段階でも明かされるのが、主人公であり王国の王女でもあるアニスフィアは女性が好きという点です。男性が特別嫌いというわけではなく親しい男性などは作中で何人も登場しますが、恋愛や結婚の話になると全く受け付けないと自ら発言しております。百合好きならこれ以上にないくらい頼もしい設定と言えるでしょう。
冒頭の婚約破棄が行われた後、大衆の目を避ける為にユフィリアはアニスフィアの助手として離宮で共に生活することになるのですが、ユフィリアを引き取る際のアニスフィアの一連の台詞はもはやプロポーズの様な物となっており、百合好きなら非常に堪らないシーンとなっております。この一連のシーンは本ページの下部に掲載している試し読みからでもご覧いただけますので、是非読んでみて下さい。
② 徐々に進展していく二人の関係
二人での生活が始まったユフィリアですが、出会った当初はアニスフィアに対して良い印象を抱いており、破天荒な行動や女性が好きという発言も相まって彼女の事を警戒してしまいます。しかし、そんなユフィリアの固い心も、アニスフィアと共に過ごしていくうちに少しずつに開いていきます。
中でもユフィリアがアニスフィアに”自分にはやりたいことがない”という悩みを打ち明けたシーンは、ユフィリアという完璧に見えた女の子が自らの弱さをさらけ出し、アニスフィアによって救われるという百合的にも物語的にも非常に重要なシーンとなっております。これまで親によって敷かれたレールを進むだけだった彼女が、アニスフィアという自由奔放な王女を目の当たりにしたからこそ訪れた変化と言えるでしょう。
そしてこの出来事をきっかけに更に二人の関係は深まっていき、互いへ向けた感情はより大きい物へと変化していきます。
その他にも…
ここまでアニスフィアとユフィリアを中心に紹介してきましたが、本作にはこの二人以外にも様々なキャラクターが登場します。アニスフィアが幼い頃から面倒を見ておりお互いなんでも言い合える関係にある侍女・イリア。暴走するアニスフィアにいつも頭を悩ませているパレッティア王国の王様であり父親でもあるオルファンス。そしてユフィリアの父親でありオルファンスの友人でもあるグランツなどなど魅力的なキャラクターが多数登場し、それぞれの思惑や感情が作中で描かれております。
そして魔法が存在するこの世界の探究といった要素も本作の面白いポイントとなっております。魔法を使う事のできないアニスフィアが自らの知識とそして努力によって世界を解明していく様は本作の大事なポイントと言えるでしょう。百合小説としてだけではなく、ファンタジー小説としても非常に楽しめる作品となっております。
まとめ
長々と語ってきた「転生王女と天才令嬢の魔法革命」ですが、それではそろそろまとめに入りたいと思います。
ここまで本作の内容についていろいろ紹介してきましたが、特にどういった趣味嗜好を持っている方にマッチするかというと…
正反対なキャラ同士の百合カップリングが好きな方
少しずつ関係が深まってく様を眺めるのが好きな方
ファンタジーな世界観が好きな方
といった感じの方には強くオススメしたい作品となっております。
また、今回語った内容は全て「転生王女と天才令嬢の魔法革命」1巻に収録されている内容で、第2巻以降では更なる二人の活躍を楽しむことができます。ここ数年で大きな盛り上がりを見せてきている百合小説、その中でも王宮百合ファンタジーというジャンルを掲げた本作は、その名に恥じない濃厚な百合とファンタジックな世界観を堪能することができます。
更に本作は小説だけではなく南高春告先生によるコミカライズ版第1巻も絶賛発売中。原作の世界観や雰囲気を忠実に再現しており、小説と漫画それぞれ二つの媒体で楽しむことができます。
百合小説としてもファンタジー小説としても非常に読み応えのある鴉ぴえろ先生の「転生王女と天才令嬢の魔法革命」、ただいま小説版は第4巻まで絶賛発売中、コミカライズは8月27日に第2巻が発売予定となっております。もし今回の紹介記事を読んで気になった方は是非チェックしてみて下さい!
試し読み
製品情報
発売日 :2020年1月18日(1巻)
:2020年5月20日(2巻)
:2021年1月20日(3巻)
:2021年8月20日(4巻)
著者 :鴉 ぴえろ
イラスト :きさらぎ ゆり
公式サイト :https://fantasiabunko.jp/special/202001mahoukakumei/
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