・2020年1月1日~12月31日に単行本として出版社より発売された作品(※アンソロジー不可)
・2020年12月31日段階で累計巻数が3巻以内の作品または短編集(※1 一部例外あり)
これら両方の条件を満たす作品のみ投票対象とし、3月1日から10日にかけて投じられた票数で順位を決定いたします。
百合漫画大賞2021 トップ10
10位 ゆりでなる♡えすぽわーる
票数:141票
・きらきらふわふわとした可愛らしい絵柄で、現実的な人間のグロテスクさを描くところにたまらない中毒性があって好きです。全て前後編の構成となっており、前編で主人公達が外で見かけた女性2人組の百合妄想をし、後編でその女性たちが実際はどのような関係性なのかを描くという構成も巧みです。その中で主人公達のメインストーリーが徐々に進んでいくのも面白いです。主人公達の幸せを祈っています。
・連載初期からずっと推しています、可愛い絵柄と微笑ましい百合妄想がメインと思いきや、妄想相手の現実も少女が出会う理不尽もガチで大好きになっちゃう…配分のバランスも最高で読みやすいです。全人類読んでください
・かわいい絵柄と世界観に合ったコマ割りで視覚的にも楽しませてくれながら、ジェンダー、大人と未成年の問題など、倫理観をしっかり描いている骨太な作品だから
・心の余命を宣告された恋に恋する女の子と、恋に恋する女の子に恋をしている女の子を中心に、登場人物が心の自由を掴もうとするお話だと思って読んでいます。
・妄想と現実から成る劇薬系百合作品。願わくは、彼女たちの未来に幸多からんことを。
9位 一度だけでも、後悔してます。
票数:142票
・毎回すごく楽しみに読んでました。「私とセックスしてください」という物理的にはすごい近い距離でいる2人が気持ち的にもどんどん近くなっていくのにとってもドキドキしてました。最近完結した比較的短い作品ですが、その中に百合の2人の幸せがギュッと詰まっている大好きな作品です!
・一度だけの関係(?)から始まる2人の関係が徐々に変わっていく様を眺めているとため息が出るほど癒されます。
・最初は不安でしたが女性同士の恋大家と入居者という関係性からここまで持ってくるとは!とすごく感動したのを覚えています!終わってしまうのは残念ですが間違いなく近年の百合漫画でもトップレベルだと思います!
・物語が進むにつれ、”後悔”の意味が変わっていくのがよい、欲しい時に適量のキュンとドキをくれる、終わっちゃうの悲しい…
・意図せずも互いを救っていたふたり。年の差、同居、契約といった色んな要素が絡んで、幸せになっていく過程がお見事でした。
8位 ふたりエスケープ
票数:150票
・行き詰まったら一先ずブレイクして、気持ちを切り替えればいい、ということをこの漫画から学びました!私自身、後輩ちゃん同様仕事などで行き詰まることが多いのですが、そんなとき何度も「先輩みたいな同居人が居てくれたら…!」と考えてしまいます笑 ふたりエスケープは私の人生のバイブルそのものです!!
・先輩と後輩のふたりで過ごす日常がとても幸せそうで癒される……
・精神性の繋がり、ある意味で百合の原点に立ち返った作品。スキンシップは他作品と比べて殆どないですが、先輩と後輩の心の繋がりは随一。
・だらしなくても楽しければいいというメッセージも良いが、それに気の合う連れ合いもいたら最高じゃん?が加わってひたすら楽しい作品。
・言葉のチョイスややりとりがいちいち面白くてクスッと笑える良い漫画。エスケープ、したいですよねわかります。ギャグだけでなく先輩と後輩の関係性がこのまま緩い感じなのかそれともガチっぽい感じになるのか目が離せません
7位 漫画版 わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
票数:165票
・陰キャのれな子と圧倒的オーラの美人の真唯と親友と恋人どちらのほうがいいかの勝負!最初から結果は見えてる(笑)けど魅力的なキャラがたくさん登場してとにかく話に引き込まれる!真唯にも負けない人気の天使の紫陽花さんも今後気になります!
・原作ノベルのコミカルなテンポ感や雰囲気はそのままに、コミカライズとしての面白さ・かわいさが上乗せされていて最高です。
・完璧人間である王塚真唯の余裕や存在感、そして圧倒的な顔の良さを的確に描写していてとても好きです。そんな真唯とは対象的で、常に余裕がなさそうにしている主人公・れな子の表情がコロコロと移り変わるところも読んでいて楽しいポイントです。全員とにかく顔が良い……!
・ノンケのれな子に猛アタックする王塚真唯ちゃんの気持ちに共感できるので、ついつい応援したくなる作品…!
・初めて読んだガールズ・ラブコメディで、これを機にこのジャンルにハマってしまいました!
6位 雨でも晴れでも
票数:173票
・とどのつまりの有頂天のリメイクのような作品ですが、テンション感がとどつまとは全く違いちょっと重めでシリアスな感じでそれがとても心にぶっ刺さってきます。特にメイン二人のすれ違いが読んでて叫びたくなるようなもどかしさで毎話壁に頭を打ち付けながら読んでます。最高です。
・「ラブコメ」という言葉がよく似合う作品です。前作『とどのつまりの有頂天』よりシリアスめな恋愛模様が展開されつつ、あらた伊里先生お得意のテンポの良いコメディ描写も健在です。前作で見られなかった椿のお相手の話もあります。
・友達以上の関係になる事に悩みつつも自分に素直になっていく主人公二人に加え、周りのキャラの個性も豊かでおもしろいです!
・溢れ出る百合がすごい。猫崎さんと美古都さんの相手への感情が漏れ出ちゃってる時の表情が素晴らしい。猫崎さんがちょっとえっちなのも良い。
・お互いのことを想ってしまうせいでなかなか距離が縮まらない二人のすれ違いを見守っています。最高です。
5位 きみが死ぬまで恋をしたい
票数:177票
・何気なく買って、衝撃を受けました。いつ、誰が消えるかも分からない世界で誰かを想うということ。それがどれだけ甘美で、そして甘くなればなるほど苦しみの伴う劇毒なのかということを、この漫画は再認識させてくれます。スプラッター描写に力の入った西洋ダークファンタジーな世界も魅力です。
・死と隣り合わせの厳しい現実の中で、それでも大切な人のために何ができるのかと悩み、もがき、願う少女達の幸せな未来をただ願いたくなる、そんな作品です
・ファンタジー世界をしっかり描いた上で、愛や命、正義と向き合って描かれている作品。私の推しは失われましたが、きっとその先に星空があると信じて応援しています。
・学園百合×魔法×戦争なファンタジー。かわいく繊細な絵柄から紡がれる、少女たちに容赦のない苦しい展開が胸に迫ります。どこにも救いを感じられないからこそ、主人公や周りの女性たちの関係性が綺麗に輝いて見える、美しい作品です。
・透明感があって綺麗な絵で内容がかなり切なくて苦しい、美しい作品で大好きです!3巻の最後めちゃくちゃ泣きました…長く続いてキャラの感情や関係性をもっと沢山見たいです!!
・ダークな世界観と甘い百合の調和、ここからのストーリーも楽しみな作品です
4位 きたない君がいちばんかわいい
票数:192票
・あらゆる性癖を詰め込んだかのような素晴らしい作品。ストーリが面白く、とてとドロドロした恋愛、キャラデザがめっちゃ好みです。
・ふんわりとした柔らかい印象を与えられる絵柄に反して、嘔吐や失禁などの、他の作品ではなかなかみられないような描写がすごく魅力的です。二人の女の子がずぶずぶに依存しあい、堕ちていく様もまた魅力的です。
・巧みな心理描写と毎回飽きさせない過激な展開を高いレベルで両立させていてすごいと思います
・本気でこれまでずっと求め続けていたような、歪みに歪みまくった共依存百合だったので、何十回も読んで悶絶してにやにやしてを繰り返しています。
・特殊な秘め事に目がむきがちですが女の子の色んな好き、嫉妬、羨望など色々詰まっている作品です!
・偏執的な情愛が逆説的に普遍的なヒューマニズムを抉り出している傑作です。令和を代表する百合漫画です。
・上辺だけの関係が一気に崩れていく物語は漫画の世界というよりも、むしろ日常の世界でのことに近いと思いました。どんどんと共依存になっていく関係は惹かれていくものがあり続きが気になる作品です。
3位 漫画版 安達としまむら
票数:202票
・ラノべは基本的に1人称視点でしたが、漫画版は3人称視点なので、物語の流れは知っていても新鮮に読めました。キャラクターの表情が繊細で、少しづつ縮まる2人の距離感をひしひしと感じます。どうか原作に追いつくまで連載を続けていただけたらと思います。
・不器用ながらも頑張る安達とそれを受け容れてくれるしまむらのカップルが最高すぎる!
・安達としまむらとしての良さを残したまま、原作にない表情や場面、流れやコマ組、背景など漫画としての利点を生かし切っている。読みやすく勧めやすい逸品。
・原作から百合度の高い部分を中心に上手く取捨選択しつつ表情と指先で漫画ならではの魅力も付加されていて好きです
・安達のしまむらに対する好きが溢れ過ぎてて、おかしな言動に出てしまうのもなんだか微笑ましいし、安達からの好意に気付きながらもちょっと弄んでいる感じのしまむらも魅力的だと思いました。
・我が家で大ブームです。なんだばしゃあ!
2位 欠けた月とドーナッツ
票数:216票
・丁寧で柔らかい絵と言葉で、しっとり優しく包み込んでくれるような世界観が出来上がっています。宇野ひな子さん、佐藤あさひさんの主人公2人をはじめどのキャラクターもとても魅力的で、それぞれがそれぞれなりに日々を懸命に生きている姿を見ると読者として応援したくなりますし、その姿に強く励まされてもいます。現在進行形で私の毎日を彩ってくれている大好きな作品です。
・出会ってきた作品の中で一番心優しい作品だと思っています。
・少しずつ距離を縮めていく社会人百合。周りとの違い、自分の欠点、甘え、戸惑い、芽生えた感情、それらにゆっくりでもしっかりと向き合う姿が心惹かれる。 「普通」とか「こうであるべき」みたいなものに囚われがちな世の中で、自分が感じたものを大切にしようと思える作品。
・今一押しの社会人百合。圧倒的クオリティ。全宇宙に読んでほしい。
・等身大の悩みやささやかな喜びがとても丁寧に描かれていて、読んでいると強く感情が引かれていきます。
・この作品に出会えて本当に嬉しかったです。
・「普通」ってなんだろう。「幸せ」ってなんだろう。主人公の宇野ひな子を通じて様々考えさせられる作品でとても面白いです。男女問わず、共感出来るポイントが多いのも特徴的だと思います。
1位 ロンリーガールに逆らえない
票数:233票
・絵柄がかわいらしく、読みやすい上にグッと引き込まれるシーンがあるので、思わず沼に落とされます。ふたりのもどかしい感じは悶絶級です。。。
・「うかつな委員長」が「アンニュイ問題児」の「お願い」を聞いたことから始まる物語、2人の関係が少しずつ進展していきつつもハラハラドキドキな展開にどうなるのかが毎回楽しみです!
・最高の百合漫画です。王道ストレートな物語が好き。絵面も最高です。尊すぎて読み進めるのにとても時間を要しました。非常にオススメです。
・全く無縁だった百合漫画にハマるきっかけになりました。絵で綺麗で性的な描写がないのに、表情やしぐさでドキッとさせられます。ストーリーも丁寧に作られており展開のテンポもちょうど良く、飽きることなく惹き込まれました。主人公たちがみな穏やかで可愛らしく、読むと温かい気持ちになり、樫風先生のお人柄が伺えるような気がします。今後二人の関性性が変わってからのお話もたくさん読んでみたい作品です。
・今時逆に珍しい王道オブ王道な百合作品で、甘酸っぱい恋の行方を追いかけたくなる青春モノです。
・毎日一つの「お願い」による繋がりに縋る本田さんに、とにかく共感の嵐です。等身大な高校生百合はやっぱり可愛いし、ならではのもどかしさがありますし、キュンキュンポイントも沢山あります。
・本田さんからの毎日の「お願い」に翻弄される桜井さん。この2人のピュアな空気で溢れる関係性が、まさしく百合漫画、という感じがして好きな作品です。2人がどうなっていくのか、今後も楽しみです。
最終順位
総括
ここまで百合漫画大賞2021にお付き合いいただき誠にありがとうございました。今回の百合漫画大賞では総投票数2207票、総作品数は205タイトルとなりました。2020年版の総投票数が2091票でございましたので、去年以上に多くの方にご参加いただくことができました。本当にありがとうございました。
今回の百合漫画大賞は一位が突出していた2019年版や2020年版と比べるとどのタイトルにも非常に勢いを感じる年となっており、どの作品が一位になるのか最終日になってみないとわからないぐらいの盛り上がりとなっておりました。
そんな中僅かな差で樫風先生の「ロンリーガールに逆らえない」が大賞を受賞いたしました。コメントからも多く寄せられてる通り、百合漫画としては直球な王道青春ストーリーとなっており、去年の「ささやくように恋を唄う」同様、学生王道作品が二回連続で一位に輝く形となりました。
一方で二位には「ロンリーガールに逆らえない」とは対照的な大人百合漫画である雨水汐先生の「欠けた月とドーナッツ」がランクイン。票数においても決して一位に引けを取っておらず、またコメントでの絶賛っぷりもかなりの物でした。これらの作品は巻数がまだ2巻の段階ということなので、今後のさらなる盛り上がりにも期待が持てそうです。
最後に百合漫画大賞2021にご参加いただいた皆さま、イベントの拡散・宣伝にご協力してくださった方々、そして素晴らしい百合漫画を沢山生み出してくださる漫画家様、本当にありがとうございました!一個人が主催している企画にここまで多くの方がご参加いただいてることをとても嬉しく思います。
今回の百合漫画大賞によって皆様が新しい百合漫画に出会うきっかけになれたら幸いでございます。それではこれにて百合漫画大賞2021を閉幕とさせて頂ければと思います。最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
関連リンク
▶ 百合漫画大賞2021 特設ページ
▶ 百合漫画大賞2021 結果発表(11位まで)
▶ 百合漫画大賞2021 中間発表
2020年
【第1位】 ささやくように恋を唄う 著者:竹嶋 えく |
【第2位】 不揃いの連理 著者:みかん氏 |
【第3位】 きみが死ぬまで恋をしたい 著者:あおのなち |
2019年
【第1位】 とどのつまりの有頂天 著者:あらた伊里 |
【第2位】 行進子犬に恋文を 著者:玉崎たま |
【第3位】 徒然日和 著者:土室圭 |
2018年
【第1位】 私の百合はお仕事です! 著者:未幡 |
【第2位】 熱帯魚は雪に焦がれる 著者:萩埜まこと |
【第3位】 たとえとどかぬ糸だとしても 著者:tMnR |