2021年4月に発表された百合漫画大賞2021にて第1位に輝き、同年10月18日にコミックス第4巻が発売された「ロンリーガールに逆らえない」。委員長と問題児の恋を描いたその王道な内容から多くの百合好きに人気を博している本作ですが、この度著者である樫風先生にインタビューの機会を設けて頂くことができました。
WEB上にて同タイトル・同著者のインタビューが掲載されるのは初となります。是非最後までお楽しみください。
名前 : 樫風(かしかぜ) Twitter: @Cat2Sora 2019年10月よりコミック百合姫(一迅社)にて「ロンリーガールに逆らえない」を初連載。2021年に開催された百合漫画大賞2021にて同タイトルが一位に輝く。また、「ギャル百合アンソロジーSHIBUYA」を初め、一迅社・百合姫コミックスから刊行されている様々な百合アンソロジーに参加 |
「ロンリーガールに逆らえない」樫風先生インタビュー
樫風先生:こちらこそ、このような機会を頂きありがとうございます!
樫風先生:はい、よろしくお願いします!
Q.「ロンリーガールに逆らえない」はどのような経緯で生まれたのでしょうか
樫風先生:「ロンリーガールに逆らえない」は、元々漫画家になりたくて編集部に持ち込みをするためだけに作った作品でした。自分の強みである心理描写やキャラの表情などを見てもらうには王道のストーリーが最適だろうと考え作った作品です。
それと同時に、自分の描きたいものを存分に描こう!と、後先考えずがむしゃらに作った作品でもあります(笑)。本田さんの様な無表情な女の子や、桜井さんの様な清楚そうだけど表情豊かな子など、キャラクター達も完全に自分の手癖です(笑)
まさか人生で初めて作った漫画で連載が出来るとは…そして百合漫画大賞を頂けるとは夢にも思っていませんでした…。
Q.執筆する際に意識していること・拘っていることなどはありますか?
樫風先生:主人公たちの心理描写ですね。彼女達の心の変化や、行動に移す決意に至るまでの心の葛藤などをモノローグや表情、仕草を使って表現出来るように模索しながら描いています。
特に大事なシーンなどはページ数を多く使ってでも表現したい所ではありますが…ページ調整がなかなか難しくて今でも頭を悩ませる時があります。
あと手の表現にはとても拘りがあります。苦しい時にはグッと握りしめたり、動揺した時には指がばらついたりと、手には沢山表情があるので心の変化を表現する時にはよく手の描写を用いています。単純に手を描くのが好きというのもありますが!(笑)
Q.「ロンリーガールに逆らえない」を描いていく中で一番大変だったことは何ですか?
樫風先生:意識している事の質問でお答えさせて頂いた彼女達の「心理描写」です。
この子たちはこの状況下で何を感じて何を思うのだろう?というキャラクター目線になって考えるという事がとても難しくて、今でも悩むことが多いです。思春期の女の子が抱える繊細な気持ちをどうしても表現したくて、いつも頭を抱えています(笑) それが学園ものの楽しいところでもありますが!
Q.本作の初期案や作中にない裏話などがございましたらお聞かせ下さい
樫風先生:初めて編集部へ持ち込みをしたロンガルは、今の1話と結構違っていた気がします。不登校の本田さんを説得しに行く桜井さんや、「お願い」を持ち掛けるのは今と変わりありませんでしたが、いきなり服を脱ぎだして桜井さんに迫ったりと今より本田さんが積極的だったかもしれません。物語を調整する中でその積極的すぎる描写はなくなってしまいましたが…(笑)
Q.読者からの質問で一番多かったのですが、登場人物のモデルはいるのでしょうか?
樫風先生:実はよくTwitterでエゴサをするのですが、こういった疑問を抱かれている方を私も多々お見受けしていました(笑) 面白くない回答で申し訳ないのですが、特にモデルはおりません。
強いて言うならば、やが君の燈子先輩やグリッドマンの六花ちゃんの見た目がとても好きなので、桜井さんはそういった感じのキャラデザにしたいな~と思っていた節もあります。本田さんは完全に手癖です(笑)
Q.引き続き登場人物関連の質問ですが、各キャラの私服デザインはどうやって考えられてるのでしょうか。
樫風先生:私服に関しては、ファッション誌を参考にすることが多いです。高校生の服装なので読者層が学生辺りの雑誌を購入してキャラクター達に似合うものを探しています。
本田さんは個人的にフード付きのものを着ていてほしい…という願望でよくフード付きトレーナーを着せています(笑)
Q.場面に応じた雰囲気や表情の描き分けはどのようなことを意識されているのでしょうか
樫風先生:恋愛的な場面では、読者の方もドキドキ出来るようなセクシーな表情だったり雰囲気づくりを心がけています。
日常的な場面では、ギャグ顔やおちゃらけたシーンを入れて読んでいて飽きない様なメリハリをつける事を意識しています。ギャグ顔を描くのが楽しすぎてやりすぎてしまう時もありますが…お化け屋敷の時の桜井さんは目玉飛び出しちゃいましたし…(笑)
Q.作中のシーンで先生が特に気に行っているシーンはどこですか?
樫風先生:4巻のとあるキスシーンが大好きです。この描写は「ロンリーガールに逆らえない」の連載が始まる前からずっとやりたかったシーンで、本誌に掲載された時は「やっと読者の皆さんに見てもらえる…!」と思うぐらい本当に嬉しかったので是非コミックスで見て下さい!
Q.ここからは先生に関するご質問をさせて頂きます。先生が百合を書いてみようと思ったきっかけをお教えください
樫風先生:女の子同士の絡みに魅力を感じたのは「ラブライブ!」がきっかけです。そこから漫画を描き始めて今に至ります。
百合を好きになってから影響を受けた作品だと「やがて君になる」です。アニメをみて衝撃を受けました。女の子同士の恋愛を描いた作品がアニメになる世の中なのか…!私もこんなきゅんきゅんする作品を描いてみたい…!と思ったのがきっかけで創作百合をはじめました。
Q.先生が個人的に今期待している百合作品はございますか?
樫風先生:雨水汐先生の「欠けた月とドーナッツ」です。社会人百合ですが、大人な恋愛と言うよりどこか初々しく、甘酸っぱい感じがたまらなく好きです。あと単純に雨水先生の描く女の子が好きなのです。
Q.先生ご自身の実は好きな百合シチュエーションなどはございますか?
樫風先生:ロンガルの様な王道とはまた全然違うのですが、身分の差や時代的な関係で、周りからは許されない禁断の百合…みたいなやつが…好きかもです…。
Q.漫画家人生において一番嬉しかったことは何でしょうか?
樫風先生:ファンレターを頂いた時や読者の方が尊死してくれた時…など色々嬉しいシーンは本当に沢山ありますが、一番は、やはり家族や周りの人が漫画家になった事を喜んでくれた事です。これからも頑張っていこうと思える原動力になっています。
Q.先生にとってズバリ百合とは
樫風先生:今の時代珍しいものではない、純粋でリアルな恋愛!ですかね…!
Q.先生、ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました。それでは最後に読者の方々へコメントを
樫風先生:ロンガルを読んで頂き、本当にありがとうございます!ご感想などとても励みにさせて頂いています。
まだ読んでいないという方も、ロンガルは王道で純粋な恋愛模様を楽しめる物語となっておりますので是非読んでみてください!これからも日々精進して頑張っていきますので、是非応援をよろしくお願いいたします!
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