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百合漫画大賞2019 結果発表(1位~10位)

大変長らくお待たせいたしました。2019年2月1日から11日にかけて当サイトで実施した百合漫画大賞2019、そのトップ10を発表したいと思います。

 

百合漫画大賞2019についてご存じではない方は下記の特設ページからイベント概要をご覧ください。

 

百合漫画大賞2019特設ページに戻る

 

投票ルール

投票対象となる作品は「2018年1月1日から2018年12月31日の間にコミックスが発売され、累計巻数が3巻以内」の作品となります。その上で

 

・2018年12月31日段階で累計巻数が4巻を超えている作品
・日本国内で発売されていない海外タイトル
・読み切り作品
・自主制作作品など同人作品
・過去発売されていた作品の新装版及び完全版
・多数の作家が参加しているアンソロジーや雑誌類
・「熱帯魚は雪に焦がれる・はなにあらし・たとえとどかぬ糸だとしても」の3タイトル

 

これら上記の項目に一つでも該当する百合漫画は投票対象外となります。

 


 

先週公開した百合漫画大賞2019の143位から11位の発表はこちらになりますので、まだご覧になられていない方は是非先にご覧ください。

 

それでは早速発表に参りたいと思います。

 

百合漫画大賞2019 結果発表(1位~10位)

 

10位 親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。

著者:コダマナオコ
票数:80票
発売日:2018/7/18
 
『コメント』
ノンケから百合展開になっていく感じや、心情がとても好みで、真知の親とのやりとりもよかったです!


先生にしては描写やキャラクターのアクの強さが抑えめで、コダマナオコワールドの入門編としてもおススメです。わずか3話ながら主人公が後輩に絆されていく様子を丁寧に描き上げた百合短編の傑作。勿論キャラクターの顔も良い。同時収録の短編「無酸素恋愛」もコダマナオコ先生らしいキャラ造形でぐいぐい引き込まれます。当然こちらのキャラクターも顔が良い。す!


本編も良いが、短編の「手が届かない相手への感情」は大好物


 

9位 同棲生活 わたしを好きってことでしょ

著者:さつま揚げ
票数:89票
発売日:2018/2/22
 
『コメント』
念願の書籍化だしフルカラーだしさらに書き下ろしまで付いて最高すぎました。続巻で片思い期間、付き合う期間…と続いてくれるといいなぁ…。Twitterでも読んでるわけですが、何度も繰り返し読んでます。みゆさんもゆうちゃんも可愛い…。


にやにやが止まらない! 同棲していて登場人物の何気ない仕草からも相手が好きっていう愛に溢れています。お互いが冗談を言い合うやり取りも面白いです。


pixiv に投稿されていた時に見つけてしまいこの百合世界に引きずり込まれた作品の一つ


 

8位 繭、纏う

著者:原百合子
票数:96票
発売日:2018/9/12(1巻)
 
『コメント』
女性の命とも言える髪を題材にした百合作品。登場人物たちの構図や心情1つ1つが、繊細で流れるような髪で命が吹き込まれた表現になっており、凄まじく、息を飲むばかりでした。


絹の一糸のような線が織り成す繊細な作画が、キャラクターのデリケートな心の動きとリンクしているようでとても惹かれます。同性愛は守備範囲外だった自分が、百合の世界に足を踏み入れるきっかけとなった作品です。


初めて買った百合漫画です。繊細なタッチで描かれた女の子達は未熟なようでとても大人っぽい。一コマ一コマとても丁寧に描かれた漫画は、作者様のキャラクターへの愛を感じます。一生懸命作業されているということが一目で分かる、それがとても良いです。閉ざされた学園の不思議な風習と、恋と、謎の少女。明治や大正っぽい学園の雰囲気も合わさって、まるで日本の百合を語る上で欠かせない、エスを彷彿とさせます。


 

7位 三日月のカルテ

著者:七坂 なな
票数:106票
発売日:2018/7/18(1巻)
 
『コメント』
病を患う透花と月洲と研修医で新人ながら透花のために頑張る月洲先生の関係が非常に尊いです。


おねロリという組み合わせ、そしてそのロリがおねを振り回しつつもお互いがお互いを好きあってる関係性が大好きなので、この作品は大変好みの作品です。続きが楽しみな作品です。


連載初期からずっと応援してる作品です。画面の美しさ、切なくも暖かいストーリー、透花と有樹の関係性の尊さ、全てが筆舌に尽くしがたく、特に美しさと透明感は百合漫画の中でもトップクラス。七坂なな先生にはこれからも頑張って欲しいです!!


 

6位 羽山先生と寺野先生は付き合っている

著者:黄井 ぴかち
票数:149票
発売日:2018/12/18(1巻)
 
『コメント』
初めて読んだ時、何だこの可愛い2人は??初々しすぎるだろ??って思いました。学生同士の初々しさも好きですが、社会人同士の初々しさは大大好きです。家宝にしたいレベル。


どこか熟れた雰囲気が多い社会人百合。だがこの作品はぴゅあっぴゅあで甘々な社会人百合。私は悶絶した。


これまでにないタイプの社会人甘々百合で毎話百合キスが入っているので、どんな展開でキスするかが楽しみで仕方ないです。幸せな2人をずっと見守りたくなる作品です!!


「羽山先生と寺野先生は付き合っている」→「羽山先生と寺野先生は同棲している」→「羽山先生と寺野先生は結婚している」に進化するんですね分かります


 

5位 スクールゾーン

著者:ニンギヤウ
票数:161票
発売日:2018/8/17(1巻)
 
『コメント』
百合にそぐわぬボキャブラリー満点の展開で面白さが増し続けています。イラストも綺麗でキャラの個性も濃く、早く続きが読みたくなる作品です。


規格外にキャラの濃い女の子たちがとにかく楽しそうにおバカをしているのが楽しくて、毎回爆笑しながら読んでいます。おバカの中にもあふれる百合力が高いのがポイント高いです。


ギャグいっぱいの百合漫画で、今まで百合漫画を買うのに抵抗のあった私でも気にすることなく手に取ることが出来ました。絵も好みで、キャラクターもみんな個性的な子達が多く、だらだらわちゃわちゃしているのが微笑ましい、毎回更新が楽しみな作品です。


 

4位 still sick

著者:灯
票数:175票
発売日:2018/12/10(1巻)
 
『コメント』
pixivでStill Sick(元はManga Sick)を読んで百合の世界に入りました。Still Sickは自分の原点です。そんな作品が単行本として出たことがとても嬉しいです。


いつもにこにこ読んでいます。作品の中で漫画を軸に清水さん前川さんの世界や関係がどのように広がり変化していくのか、今後の展開が楽しみです。


pixivの時からのファンで書籍化するのを待ち望んでました。前川のツンデレ可愛い??清水さんの不器用でまっすぐで恋愛に慣れてない怖がりなところも可愛い??この作品は何回読んでも「はぁ~好きやわ~」で終わる作品です。


 

3位 徒然日和

著者:土室 圭
票数:178票
発売日:2018/4/18(1巻)
 
『コメント』
繊細でかつ緻密なコマのなかには、キャラクターだけでなくその風景すべてを描写しているのでまるで作品の中の世界を切り取ったのではないかという感覚に陥ります。そういった情報量の多いコマの中でも生き生きと動き回る愛くるしいキャラクターたち。ずっと浸っていたくなりますね。素敵です。


田舎町でゆったりとした時間を過ごす女の子の日常風景を切り取った作品です。メイン4人の女の子同士の距離感を描き分けているところがいいな…と思いました。一つのエピソードの中にクスっと笑えるシーンもあればドキッとするようなシーンもあって、何度でも読み返せてしまいます。


登場人物の何気ない言葉のやり取りに胸を締め付けられる事が多々ありました。百合漫画としてはもちろん、青春漫画としても大好きです。性別、住んでる地域が違っても懐かしい景色が思い浮かびました。


 

2位 行進子犬に恋文を

著者:玉崎 たま
票数:194票
発売日:2018/6/18(1巻)
    2018/12/18(2巻)
 
『コメント』
待ちに待った軍人百合作品!!陸軍幼年学校の空気感と女学校ものっぽさが併さり独特の雰囲気です。サラッと戦争の話が出てくるのもミソ。こういう百合増えてほしいです。


特殊な時代設定というのもあり、これまで百合作品であまり見たことないシチュエーションが多く描かれているので、個人的に一番この先の展開を楽しみにしている作品です。


軍女子&百合という全く新しい設定がかなり面白いと感じましたし、ストーリーも作画も丁寧に作り込まれていて毎回続きが楽しみな作品です。


幼年士官学校の軍服百合、大人気間違いなし


 

1位 とどのつまりの有頂天

著者:あらた伊里
票数:251票
発売日:2018/9/10(1巻)
 
『コメント』
「総合タワーリシチ」で一世を風靡したあらた伊里先生の最新作。リシチ時から変わらないハイテンション+甘々な百合で、何も考えずに楽しめ、元気になれる素晴らしい作品です。1巻にしてこれから無限の展開がありそうな複線・関係性が多いのも魅力で、1巻時点から「2巻はまだか」とうわごとのように呟いています。今作こそアニメ化までたどり着いてくれると信じてますよ・・・!


ハイテンションギャグ+百合漫画で前作のリシチと違ってカップルが既に成立気味なのがいいなってのとリシチの続きが見れてお得でしたアラタ先生の作品はギャグ絡めながらも結構百合濃度が高いものをお出ししてくれるのがありがたい


主人公カップル2人とも相手を意識してドタバタしているのが可愛い。著者特有のテンポの良いギャグもあり楽しく読めました。主人公カップルの関係が今後進展していきそうなので続きも楽しみです。


主要キャラが六人と多く、いろいろな関係性が見れてにぎやかなのが楽しいです。


 

百合漫画大賞2019 全順位

今回の百合漫画大賞2019で投票された全作品の順位は下記の「百合漫画大賞2019 全順位」を押すと表示されます。検索機能を使う事で特定の作品がどの順位なのかを簡単に調べられますので、是非ご利用ください。

 


 

総括

 

以上で百合漫画大賞2019の最終結果となります。ここまでお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。

 

今回の百合漫画大賞では本来のルールに加え、上位入賞筆頭候補であった「はなにあらし」「熱帯魚は雪に焦がれる」「たとえとどかぬ糸だとしても」の三タイトルが対象外となっていた為、一位を予測するのがかなり難しかったのではないでしょうか?

 

最終的にはあらた伊里先生の「とどのつまりの有頂天」が一歩リードした形での一位となりましたが、それでも「とどのつまりの有頂天」に票を入れた方は全体の15%程で、去年の百合漫画大賞2018で「私の百合はお仕事です!」が全体の30%が票を入れていたことを考慮すると、今年はかなり票が割れていることがわかります。

 

  

 

「三日月のカルテ」と「スクールゾーン」のランクインは今回の百合漫画大賞の中でも驚かれた方が多いのではないでしょうか。両作品ともファンを中心とした投票が積極的行われ、また三日月のカルテは本編打ち切りの危機に瀕していたことから、今回かなり票数を伸ばす結果となりました。

 

無論、これらの作品にそれだけの魅力があったからこそ、これだけ多くのファンを動かすことができたと言えるでしょう。残念なことに今回の結果を発表する前に三日月のカルテの打ち切りが決定してしまいましたが、少しでも次の繋ぐことができれば幸いでございます。

 

  

 

2018年は社会人百合が盛り上がった年ということもあって、今回のトップ10にも「still sick」や「羽山先生と寺野先生は付き合っている」、「同棲生活」に「偽装結婚」といった大人の女性を主役とした百合漫画が計4作品もランクイン致しました。

 

学生物が強いとされる百合ジャンルの中で、これだけ多くの大人百合作品がランクインできたのは、もはや一過性のブームではなくれっきとしたジャンルとして需要が定着してきていると言えるでしょう。今年は青い花の志村貴子先生による大人百合も始まることから、まだまだ伸びしろにも期待ができるのではないでしょうか(関連記事)。

 

  

 

2位と3位には百合姫作品である「行進子犬に恋文を」と「徒然日和」がランクイン致しました。両作品とも百合姫で連載が始まってから一年半ほどの作品となります。

 

3位にランクインした土室圭先生の「徒然日和」は、田舎町の少女達の日常を描いた作品で、ガッツリ恋愛に主軸を置いた作品と言うよりかは、作品内に登場するキャラクターの生活感そのものを映し出している作品となります。様々な設定や波のある物語が増えてきた昨今の百合漫画情勢において、ある意味貴重な作品ともいえるでしょう。さり気ない日常の中に潜む百合が、如何に破壊力があるのかを物語っている作品といえます。

 

そして2位にランクインしたのは玉崎たま先生の「行進子犬に恋文を」。本作は先ほどの徒然日和と打って変わって軍国ファンタジーという非常に特徴的な百合ジャンルの作品となります。この百合漫画大賞2019の結果を見て頂いても分かる通り、一般的に百合漫画の多くは現代世界をベースにしており、吸血鬼といった多少のファンタジー要素や近未来などのSF要素はあくまで現代社会へのプラス要素に留まっております。

 

一方で本作の様な完全に現代から切り離された独自の世界観を持つ百合漫画は非常に少なく、その上ここまで多くの方に支持された作品となるとその存在はかなり稀少と言えるでしょう。投票者コメントでもその独自の設定を評価する声が非常に多く、現代とは異なる独自の世界観でここまで人気をとれたのは、百合漫画の可能性を広げるという意味でも偉業と言えるのではないでしょうか。

 

余談ですが「行進子犬に恋文を」と「徒然日和」の両作品は百合姫副編集長であるてん氏が担当しており、去年もこの方が担当している「私の百合はお仕事です!」と「たとえとどかぬ糸だとしても」がそれぞれ1位と3位にランクインしております

 

 

そして栄光ある一位を獲得したのはあらた伊里先生の「とどのつまりの有頂天(通称:とどつま)」。百合アンソロジー・つぼみで「総合タワーリシチ」を執筆していたあらた伊里先生による久々に新作百合漫画ということで、連載開始当時から大きな注目を集めていた本作が堂々の一位となりました。

 

リシチ時代から先生の持ち味であったハイテンションギャグは今作でも存分に活かされており、またカップル成立まで比較的時間を要したリシチと比べ、とどつまでは早い段階から女の子同士の恋愛感情が明確に描かれているのもあって、従来のファンからも新規のファンからも非常に高い評価を得ておりました。百合作品としてもギャグ漫画としても非常に高水準の作品となっており、まだ読まれていない方は心の底から読んでほしいと思う作品です。

 

また、これまで「とどのつまりの有頂天」は少年画報社のヤングコミックで連載しておりましたが、今年の春からアプリ「マンガDX」に移籍するとの事なので、今後リアルタイムで連載を追いかける方も増えることが予想されます。百合展2019にも出展が決まったとどつま。これから先、どのように盛り上がっていくのか非常に楽しみですね。

 

百合漫画大賞2019 閉幕

 

 

最後までお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。今回の百合漫画大賞2019は総応募作品177作品・投票数1640名にも到達し、規模は何と去年の約5倍という素晴らしい成長を遂げました。ただの一百合好きが個人でやっているに企画にここまで多くの方がご参加してくださったこと、とても嬉しく思います。本当にありがとうございます。

 

嬉しいことに今回の結果を参考に新しい百合漫画を購入される方がSNSでよく見受けられ、心の底からこの企画をやってよかったなぁと思います。これまで読んでいなかった作品に手を出してみたり、自分の推し百合漫画にもっと力を注ぐきっかけになれば幸いでございます。

 

また、2019年の夏ごろには投票する作品にほぼ制約がない新旧百合漫画ガチンコ選挙「第三回 百合漫画総選挙」もやりますので、そちらの方も是非よろしくお願い致します。

 

それでは百合漫画大賞2019にご参加いただいた皆さま、イベントの拡散・宣伝にご協力してくださった漫画家様・出版社様、本当にありがとうございました!

 

百合漫画大賞2019特設ページ

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